ポータブル・プレーヤーへの特異な個人的条件

 電車の中などで,イヤフォンをしている人は非常に多い。最近では,加えて,かなり大きなヘッドフォンを車中でも使っている人も増えている。それも,iPodなどのデジタル・ポータブル・プレーヤーが普及したお陰だろう。

 デジタル・ポータブル・プレーヤーもかなり色々と試した。主な用途は,音楽用というよりも,映画の音を聞くためである。実際にはそうでもない部分も大きいのだが,本来の目的は語学の勉強用である。

 日本の語学教育とは全く違った方向,分かっても分からなくてもよいから,音を聞くことから語学というものは始めるべきだ,と思っているので,デジタル・オーディオのかなりの初期段階から,そのためにこの機器を使っているのが実情。

 語学に才能が必要というのは,どうも本当のようである。しかし,である。あれだけ中学・高校で学習したのに英語が話せないと嘆く人も多いが,考えてみれば,アメリカ人であれば,どんなに他の語学の才能が無い人でも英語は話す。

 こう考えると,語学の才能とは,長時間にわたって,意味も分からない言語を単なる音として聞くことができるかという才能なのだ,というのが最近の個人的理解なのである。子供の語学の学習速度が速いのは,もっぱらこの理由,すなわち,子供は何も考えずに音として聞くためだろう,と思っている。そのために,その音を正確に出すこともできるのだろう。一方,大人は文字(スペル)が気になってしまうのである。

 なぜ映画なのか。映画の音はよくよく聞くと,背景の小さな音など,いろいろと細かいことまで考えて作られているので面白い。会話ばかりだと飽きるが,あまり飽きもせず音を聞き続けることができる。

 話が多少ずれるが,DVDの映画の音をパソコンに落とすには,CDの場合のようには簡単ではない。DVDの音をリッピングすることも可能ではあるが,合法的なのかどうか? そこで,録音ソフトのお世話になる。

 録音ソフトにはフリーのものを含めて色々とあるが,現時点では,「♪超録」というシェアウエアを使って,なんらかの形式の音声ファイルに変換することを行っている。これは,パソコンのサウンド・カードの中で,一旦,アナログになるのだろう,そのため,個人的な利用に限れば合法的ではないか,と思っているが,果たしてそれで良いのだろうか。

 そして出来上がった映画の音声ファイルを,デジタル・オーディオ・プレーヤーに移すのだが,そのとき,ソニーやパナソニック,あるいはAppleのように,専用ソフトを使うのは面倒である。接続したらUSB大容量ストレージとして認識され,ファイルを単に転送できるものが良い。

 語学のCDの音もデジタル・データで持ち運ぶことが多い。Windowsのパソコンを常用している人間にとっては,音声ファイル形式としては,WMAが便利である。そのため,デジタル・ポータブル・プレーヤーの場合,いつでも機種の選択が難しい。ソニー製,パナソニック製,Apple製は避けることになるからである。