この記事を書くことになったのは,ここ半年ぐらい,音楽を本格的に聞いてみようかな,と再度思うようになったことがそもそもの原因だが,それも,さる知人に刺激を受けたからである。

 個人としてどんな趣味を持っているかなどといった話は,よほど親しくなっても,仕事上のお付き合いの範囲だとなかなかしないものだ。しかし,その方が退職されることになって,「今後,かなり色々と趣味ができる時間が増えますね。何がご趣味ですか」,といった話になって,実は,オーディオが趣味で,ご自宅には,高品位のオーディオ装置を備えているということだった。

 そこで,昔は,自分でアンプ(当然真空管)などを組み立てた時代もあったが,今は,大音量を出すことが不可能なので,何も持っていない,などという話をしていたら,20畳の部屋があれば,予算100万ぐらいで,小音量でも楽しめる最上の組み合わせの装置を推薦できる,とのこと。残念ながら,20畳の部屋は無いもので,ご遠慮申し上げた次第。

 しかし,小型で高品位のものならば,いささか興味はあるし,世の中の情勢をWebなどで探ってみると,高品位のヘッドフォンというものにハマっている人々が多いことを発見。特に高品位のものではなかったけれど,そのとき所有のものでも,確かに音質自体は,スピーカーよりも遥かに良さそうだと思っていた。

 そこで,高品位ヘッドフォンなるものを購入して試みたのが,こんなことになった。というよりも,現状そうなっている。これまで知らなかった,なかなかマニアックな世界が展開しつつあるのである。ある意味で恐ろしい事態に入り込んでいて,これが泥沼化しなければ良いのだが。

 まずは,デジタル・オーディオとの付き合いを記述してみたい。