前回のコラムは,街中でさまざまなサービスを提供する情報キオスクと,公共スペースでのインターネット接続を提供するパブリック・コンピューティングの話でした。今回は,店舗の中に増えつつあるディスプレイ機器について書きたいと思います。リテール(小売り)市場は今後もっとも大きな変化が予想される分野です。インターネット・ショッピングによって買い物の常識がすっかり変わってしまったのと同様の変化が,デジタル・サイネージなどの普及によって“リアル店舗”にも起きようとしています。

図1 欧州で導入が進むセルフサービス・レジ
図1 欧州で導入が進むセルフサービス・レジ (画像のクリックで拡大)
図2 簡単に使えるセルフサービス・レジ
図2 簡単に使えるセルフサービス・レジ (画像のクリックで拡大)

セルフサービス・レジ(セルフ・チェックアウト)

 どの国の店舗でもレジ待ちの列の解消が課題となっていますが,ヨーロッパのスーパーマーケットやドラッグ・ストア・チェーンでは「セルフサービス・レジ」の導入が進んでいます(図1)。

 こうしたセルフサービス・レジには必ずデジタル・ディスプレイが装備されていて,買い物客がやって来ると操作方法を説明するビデオ映像が流れます。それを見ながら商品のバーコードをスキャンし,最後にクレジット・カードや現金で支払いをすれば良いのですが,次に行う操作の説明がタイミングよく表示されるようになっています。

 私も試しに使ってみましたが,音声とCG映像による説明はとても分かりやすく,初めてでもスムーズに支払いを済ませることができました。日本でも試験的に導入する店舗が増えているので,今後は一般化していくと思います(図2)。