「でも乗ってどうすんですか、そんなもの」

燃料電池バイクをスケッチしてみた(ほんとはバラバラにしてジュラルミンのトランク ケースに入れて持ち運べるといいんだが、とか早くも想像してしまう)
燃料電池バイクをスケッチしてみた(ほんとはバラバラにしてジュラルミンのトランク ケースに入れて持ち運べるといいんだが、とか早くも想像してしまう) (画像のクリックで拡大)

「まず電動アシスト自転車は、それでもって世界遺産を巡るのさ。次に燃料電池スクーターは、カッコよく乗りたくなるようにリデザインしちゃうわけ。それからアルバトロスは、もう1台作っておもちゃのレーザーガンで空中戦ができるようにしたいなぁ。撃墜して当たるとヘルメットがビカビカ光ってぐらぐら振動するとか、レーザーガンが命中するとエンジン停止させちゃうとか。遊びの部分をもっとグレードアップしなくっちゃ。俺が知ってるおもちゃメーカーにこういうの大好きなスーパーヒットメーカーいるから、あいつも仲間に入れちゃおう。で、なんだっけ?あ、ATVね。それはなんだかよくわからんが、あえず乗ってみてから考えるわ」

 何だかよくわからんが、一人で興奮して一人で盛り上がってしまった。ハタから冷静にみれば「何の空騒ぎ?」といったところかもしれないが、まったく新しい物が世に登場するときというのは、いつもこんなものである。ものづくりに関わっておられる方なら分かっていただけると思うが、キッカケは友人とのバカ話、などという例はとても多いのである。理屈じゃない何か、あえて言えば「情熱の煙」みたいなのが湧き起こって焦げたにおいがするもの。それがすべての始まりである。もちろん、それがありさえすればいつもうまくいく、というわけでもないが。

 とにかく最初のステップで大切なのは胸のドックンドックン!だ。今回の話でいえば、まずは乗せてくれとせがんでみることだ。そこで、次のステップに行ける何かを発見できるかどうかだろう。試してみるという実体験を通してうまい発想が浮かべば、それを実現してみる。それを作って飽きるまで遊ぶ。その結果、企業として売れると分かれば量産するだろうし、だめだとわかれば再びお蔵入りにする。まあ、それだけの話なのである。