すべての製品について,

*ライフサイクル消費エネルギー半減
*製品重量半減
*製品寿命2倍・商品寿命2倍

のうち,その製品の性格にとってもっとも重要なものを実現すべきである。これらの条件を満たす技術を筆者は,「EcoTech2.0」と命名している。

 縮小均衡が製品の価値になるためには,決して「なんでもよい。売れる製品を作れ」といったメンタリティーでは目標の実現はできず,最低限,「もう一度買ってもらえる商品を作れ」という意識が必要不可欠である。

 個人的に考える商品の価値のレベルとは次のようなものである。

レベル0:買ってもらえる商品
レベル1:満足してもらえる商品
レベル2:また買ってもらえる商品
レベル3:予備用としてもう一つ買う気にさせる商品

 これまでのような,レベル0を目指すのではなく,最低でもレベル1を,もしも可能ならばレベル2,3を目指す商品作りが必要である。

 そして,そのための必要条件が,EcoTech2.0の実現である。

まとめ

 現時点で,原油価格は低下を始めた。しかし,世界全体のGDPのそれほど大きな伸びも期待できない状態になっている。石油産出国の所得はそれこそ過去最高ではあるが,だからといって,それが世界の景気を引っ張ることはない。

 現在の状況,すなわち「第3次石油ショック」は,恐らくエネルギーショックとして,今後300年間ほど続く。しかし,時間的に急激な変化を示す言葉である「ショック」とは認識されなくなるだろう。すなわち,それが普通になるのである。そして,人類は化石燃料をすべて使い尽くし,新しい文明へと転換していくことになるだろう。