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偽装五輪開会式を批判する偽善

谷島 宣之=「経営とIT」サイト編集長
2008/08/28 17:39
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 運動神経が鈍いせいかどうか、スポーツは何もしないし、テレビ観賞にも関心が無い。北京五輪も高校野球もまったくと言ってよいほど観なかった。こうしたスポーツの大きな催しがあると新聞は連日大きく報道するので「読む所が減った」と思ってしまう。ただ、五輪や高校野球に熱中する人が沢山おられることは事実だから、「五輪や高校野球など止めてしまえ」とは言わず、平常に戻るのを黙って待つことにしている。

 したがって、北京五輪の開会式の映像にコンピュータグラフィックスが使われたり、映像に映っていた少女とは別の少女の歌声を流したり、登場した56民族の代表がほとんど漢民族であった、といったことを非難する気にはなれない。強いて何か言えと問われたら、「たかが開会式の演出でしょう、まあ、よくやりますね」といった程度の返事しかできない。

感動は真実からしか得られないか?

 ただし、北京五輪の開会式の演出を批判する新聞報道に接すると不愉快になる。開会式の演出について、ある新聞は「感動は真実からしか得られない」といった趣旨のことを書いていた。これは明らかに嘘であって、開会式の演出より悪質だと思う。

 「感動は真実からしか得られない」と大見得を切った新聞は、開会式直後、開会式を評価する記事を掲載していたと記憶する。書いたのはそれぞれ別の記者だろうが、少なくとも一人の記者は開会式の模様に感動したわけだ。また、筆者の知り合いも何人かが、「開会式は凄かった」と言っていたので、それなりのものであったのだろう。開会式の映像はすべてが真実ではなかったわけだが、感動は与えた。「感動は真実からしか得られない」わけでは決してない。

 「それは映像が真実だと信じていたから感動したのだ、過剰演出が明らかになり、裏切られた思いだ」と言うのであろうか。裏切られたのはお気の毒だが、感動した事実は消えない。中国当局に嫌みを言うくらいなら、騙されて感動した自分の甘さを反省してはどうか。いっそのこと、「嘘もあそこまでいけば大したものだ」と、中国演出家の能力を讃えてはどうか。彼は国から与えられた任務を全うしたのだから。

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