iPhoneとの連携に優れたアプリケーションやサービスがサードパーティから数多く出てくると、それらがそのままiPhoneの魅力になる。サードパーティが作成したアプリケーションの配布の方法も面白い。売上高から一定の割合分をアップルに支払う訳だが、無償でアプリケーションを配布した場合は売上高がゼロだからアップルに対して支払い義務はない。つまりフリーウエアとして流通させることを優先する作戦もとれる。

 iPhoneとネットの向こう側との連携を感じさせる例を挙げよう。最近日本語化され、日本でも話題になりつつあるFacebookというSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)がある。このFacebookはiPhoneとの連携が考慮されている。Facebookで友人に連絡先を公開すると、iPhoneでログインしたFacebookの画面でタッチするだけでそのまま電話がかけられる。

 一方、グーグルのAndroidについても、GoogleマップやYouTubeといったネット上の数々のサービスに簡単に接続できる各種モジュールが用意されていくだろう。ネット上のサービスやコンテンツがリッチになり、あらゆるところから高速常時接続でネットにアクセスできる時代がそこまで来ている。このチャンスをつかむためのインフラ整備と考えると、iPhoneとAndroidの目指すところは明快である。

日本勢は新しいビジネスモデルを作れるか

 今までの延長では語れない、ネット上のサービスにアクセスすることにより成り立つ新たな世界でリーダーシップを発揮する企業が日本からも誕生してほしい。NTTのiモードは、サービス込みのビジネスモデルの先駆けと言えるが、インターネットに出現してくるリッチなサービスやコンテンツにアクセスする時代になると、そのビジネスモデルが古くなりつつある。