Intel社のつまずきや
PS2の技術に高い関心

日経エレクトロニクス表紙

 1999年2月,NTTドコモが日本を代表する通信サービス「iモード」を始めた。出足は鈍かったものの,開始から1年で400万契約を得るなど急速に普及していった。

 この年読者に最も読まれた記事は,86系互換マイクロプロセサの特集「インテル支配の終焉」だった。米Intel社は1998年にパソコン向けマイクロプロセサのシェアを86.2%から71.2%に低下させた。Intel社が家庭向け低価格パソコン市場の開拓に出遅れたからだ。同社はその後,「Celeron」など低価格品を精力的に販売。米Integrated Device Technology社などを互換品市場から追い出すことに成功した。

 発売を間近に控えた「プレイステーション 2」(PS2)の技術情報も強い関心を集めた。ゲーム機はパソコンに劣る演算能力しか持たないという常識を打ち破ったためだ。解説「プレイステーションがAV機器を,パソコンを超える」で,ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役 副社長(当時)の久多良木健氏は,東芝を開発パートナーに選んだ理由として,CPUコアを一から設計できる技術者がいたことを挙げている。

1999年に読まれた記事 BEST 3
  1. インテル支配の終焉(2月8日号)
  2. プレイステーションがAV機器を,パソコンを超える(3月22日号)
  3. 次世代プレイステーション,1999年12月以降に出荷へ(3月22日号)
1999年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. HDD,家庭を射程に(5月3日号)
  2. インテル支配の終焉(2月8日号)
  3. Bluetooth ケータイ・PCを席捲(12月13日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

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