転換期の電子産業,本誌は創刊15年目に

日経エレクトロニクス表紙

 1月28日,米国のスペースシャトル「チャレンジャー」が打ち上げ直後に爆発した。4月26日には,ソ連のチェルノブイリ原発で爆発事故が発生。1986年は,重化学工業時代を象徴する技術が相次いで機能不全に陥った。重化学工業の次を担う電子産業も,このころいったん,踊り場を迎えている。1980年代に入って急激に成長してきた半導体の国内生産が,前年の1985年に10年ぶりのマイナス成長と急ブレーキ。米国との間では,半導体で貿易摩擦が激しさを増していた。前年に米国半導体工業会(SIA)は,1974年通商法301条に基づきUSTR(米国通商代表部)に提訴。日本の通商政策を強烈に批判した。1986年7月に日米政府は日本製品の価格監視などで合意するものの,翌1987年にはこの協定に背いたとして,米国は日本製のパソコンなど3品目に報復関税を課すことになる。

 1986年,最も読者の評価が高かった記事は,創刊15周年記念号に掲載した「転換期の電子産業」。前年のパソコン市場の不振やメモリ不況,貿易摩擦など一連の事象を,近代工業社会を超える動きの反映と位置付けた。

1986年に読まれた記事 BEST 3
  1. 大市場を期待し,応用展開を模索する光ディスク(1月13日号)
  2. 1986年度パーソナル・コンピュータ,市場展望(2月24日号)
  3. 米IBMが3.5インチ型フロッピー2台内蔵の,携帯型パーソナル・コンピュータを発売(4月21日号)
1986年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. 転換期の電子産業(4月7日号)
  2. ECLとCMOSの狭間をつき,地歩を固めつつあるBi-CMOSディジタルLSI(12月15日号)
  3. 大市場を期待し,応用展開を模索する光ディスク(1月13日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

―― 【次回】1987年:日米半導体摩擦 ――