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日経エレが目撃した電子産業・歴史の現場

【電子産業史】1979年:超エル・エス・アイ技術研究組合

国家プロジェクトが残した成功体験の光と影

  • 2008/08/12 09:00
  • 1/3ページ

1979年度に,超エル・エス・アイ技術研究組合の活動は一部の研究を除き終了した。

 「将来のコンピュータシステムの要となる超LSIを開発する」という目的で,「超エル・エス・アイ技術研究組合」が1976年に設立された。総予算は700億円。うち約290億円が「次世代電子計算機用大型集積回路開発促進補助金制度」からの補助金(国の出資)で,4年計画のプロジェクトである(一部の研究は7年間まで延長)。

 参加企業は,コンピュータ総合研究所(富士通,日立製作所,三菱電機),日電東芝情報システム(NEC,東京芝浦電気)の2グループ5社。通商産業省工業技術院電子技術総合研究所と日本電信電話公社も協力した。

 これは米IBM社の未来のコンピュータ計画「Future System」(FS)に触発された国家プロジェクトである。前年の1975年に,コンピュータの100%資本自由化が実施され,日本のコンピュータ産業に対する危機意識が産官に強かったことが背景にある。

 当時はLSIの最小加工線幅(設計ルール)がまだ数μmの時代1)。MOS LSIの世代交代期で,新たな製造技術や設計・評価技術が必要とされていた時期である。半導体技術は米国が先行しており,半導体製造装置もほとんど米国に依存していた。

半導体産業の競争力を強化

 研究組合の研究は,コンピュータ総合研究所と日電東芝情報システムの各研究所,および共同研究所の3カ所が担当した。特に,共同研究所の成果は,学会発表200件(組合全体では400件)など著しい。

 この共同研究所は,研究施設をNEC中央研究所(川崎市高津区)の建物内に設け,5社から約100人が参加し,4テーマ6研究室体制で行われた。研究テーマの選定には,「4年間で成果が出ること」「超LSI生産のための基礎的・共通的技術」(図1)に限定した(共同研究所所長の垂井康夫氏への当時のインタビューから。以下同)。参加企業がノウハウの流出を警戒したことが背景にある。


図1 超エル・エス・アイ技術研究組合共同研究所で開発された「基礎的・共通的技術」の主な内容 (画像のクリックで拡大)
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