創刊200号を迎え「ICの信頼性」を特集

日経エレクトロニクス表紙

 新東京国際空港(現・成田国際空港)が開港した1978年,読者に最も読まれた記事の1位だったのは「海外技術速報」。1cm角に1011ビットを記録できる光化学メモリや,波形継続時間を符号化する音声デジタル化方式の実験に関する記事などを掲載した。

 本誌は11月27日号で創刊200号を迎えた。これに当たり,「ICの信頼性」をテーマとする大型の記念特集を掲載した。当時,電子部品の標準化が進み,メーカー間で特性差がない製品が増えたことで,部品選びの条件として価格や信頼性の占める比重が大きくなっていたためである。エレクトロニクス業界の第一線で活躍する技術者による9本の論文と,本誌が執筆した二つの記事を合わせた合計11の章で構成した。

 このうち,松下電器産業の野依正晴氏が執筆した論文「バイポーラICの静電破壊対策の実例」が,この年に評価が高かった記事の3位にランクインした。ある携帯用通信機器の市場での故障の原因を追跡した結果,搭載するバイポーラICの静電破壊であることを突き止めた過程と対策を記した。

1978年に読まれた記事 BEST 3
  1. 海外技術速報(9月4日号)
  2. 技術速報(9月18日号)
  3. 海外技術速報(2月6日号)
1978年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. 広がる圧電性有機高分子材料の応用(2月20日号)
  2. 新たな競争者が加わったフラット・パネル文字ディスプレイ(4月17日号)
  3. バイポーラICの静電破壊対策の実例(11月27日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

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