トランジスタ誕生から四半世紀
特許からその技術進化を振り返る

日経エレクトロニクス表紙

 「我が巨人軍は永久に不滅です」――。ミスター・ジャイアンツと呼ばれた長島茂雄氏が読売巨人軍を引退したこの年,エレクトロニクス業界は半導体の誕生から四半世紀を経て,26年目に突入する。米Bell LaboratoriesのWilliam Shockley氏らの研究グループがトランジスタを発明したのが1948年。本誌はそこで過去25年間に出願・成立した半導体関連の特許を振り返るため,特許庁による寄稿記事を掲載する。重要特許並びに主要な半導体メーカーが張り巡らせた特許網を詳説したこの記事は,この年に最も参考になったとの評価を受ける。特許を通じて,技術の進化を振り返る内容でもあった。

 付録としてソノシートを添付した記事もある。テープ・レコーダーで録音した音声を再生するときに再生速度を変化させると,通常は音のピッチ(高さ)が原音と変わってしまう。これを信号処理によってピッチが変わらないようにするVSC(variable speech control)技術を解説する記事で,その再生音を録音したレコードを同梱した。音声処理の詳細を誌面で紹介し,その効果を体験できる構成は,参考になったとの評価を得た。

1974年に読まれた記事 BEST 3
  1. 技術速報(10月21日号)
  2. 海外技術速報(8月12日号)
  3. 海外技術速報(10月7日号)
1974年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. 半導体25年間の重要特許の“網”(1月28日号)
  2. テープ速度を変えても原音を忠実に再生できる,VSC技術(レコード付き)(12月30日号)
  3. 躍進続ける新論理回路素子(5月6日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

―― 【次回】1975年:CCDの開発 ――