技術経営 技術者が知っておきたい経営と市場の最新情報
 

iPhoneの上陸と国産ケータイの強化策?

安井 至=前国際連合大学副学長,東京大学名誉教授
2008/08/06 09:30
印刷用ページ

 日本の携帯電話は,かなり特殊なマーケットを作りだすことによって,海外からの侵略を防いできた。この進化は,しばしばガラパゴス化という言葉で表現される。しかし,とうとう「iPhone」によって,本格的侵略が開始されてしまったようだ。

 iPhoneがどのキャリアのどのモデルを食うのか。実用機としては機能が不十分だから,趣味人のための2台目携帯ではないか,という説もある。しかし国産勢の防波堤が「おサイフケータイ」機能であるとすると,いずれにしても,なんとも情けない話である。個人的予想は「当面は,経済的負担の大きさから余り普及はしないだろう」なのだが。

 ちなみに,筆者は,今のところiPhoneを手にする気はない。現時点で携帯電話に対するニーズは,電話の発信ができること(当たり前。基本的に電話は受けない)。これ以外に,パソコンメールが到着したことの通知が入ること(これも普通)に加えて,どこにいても本体のカレンダーと「Googleカレンダー」との「直接同期」が取れること,が日本国内でのニーズである。これなら「Nokia N95(日本ではX02NK)」でほぼ不足は無いからである。

 ところが,この簡単だと思うニーズを満たす携帯電話は,国内の携帯を使っている人々に聞いてみたら,どうもないようで,選択肢はWindows Mobile系か,Nokia系,あるいは「Blackberry」になってしまうようだ。


【図1 NokiaのN95でドイツの地図を表示させたところ】 (画像のクリックで拡大)

 海外に出るときには,ニーズが多少変わる。訪問する地域の地図をNokiaのサイトから無料でダウンロードしていくので,迷ったときなどに自分が今いる場所をGPSで確認することができる。これも重要なニーズの一つである。多少,パケット料金がかかるが,金額はほとんど無視できる範囲内である。ヨーロッパ,北米,オーストラリアの地図は,ほぼ完璧。タイなどはほどほど。

 図1にドイツ・ボンのライン河を含む地図を示す。

 ちなみにNokiaの日本の地図は,精度が悪くて全く使い物にならない。この地図はファイル・サイズが余りにも小さいのだ。ということで,日本だと「NAVITIME」を使うことになる。

 iPhoneで同じことをやろうとすると,確信があるわけではないが,「Google Maps」にアクセスすることになるだろうか。もしも,電話回線でアクセスしたら,帰国後,海外でのパケット料金で目を白黒させることになるだろう。

 さらに,Nokiaはオープン化されているので,何かと無料のソフトが手に入るのも,なかなか面白い。今,気に入っているのは,GPSで自分の移動速度や今居る場所の高度が測定できるおもちゃのようなソフトである。こんなものは,国産携帯用にも当然存在するのだろうと思っていたが,そうでもないようだ。

 そして,日本国内と海外の両方をトータルにみて,通信料が安く済んでいることが,Nokiaを替えたいと思わない大きな理由である。

【技術者塾】
実践で学ぶ!システム設計力強化トレーニング(9/2・3開催)

~複雑化する製品の設計情報を見える化し、品質向上と開発効率化を実現~


システム・サブシステムにおいて、要求⇒機能⇒実現手段の順に段階的に設計案を具体化しながら、各段階において異分野の技術が相互に与える影響や背反事項のすり合わせを行うことが重要です。また、元々日本企業が得意なすり合わせをより効率的・効果的に行うために、設計情報を見える化し共通言語とすることが必要です。これらにより、システム目標の未達や見落としを防ぎ、品質向上と開発効率化の実現を目指します。詳細は、こちら
日時:2015年9月2日(水)・3日(木)
いずれも10:00~18:00
会場:京王品川ビル セミナールーム(東京・品川)
主催:日経テクノロジーオンライン
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング