趣旨
未来技術の方向性は,省資源,省エネ,高付加価値,超長寿命,サービス化などの「持続可能な技術」である。世界を見渡すと,すでにある種の技術はそこへの転換を始めている。一方,日本は残念ながら出遅れてしまった。出遅れた分だけ,次をどうイメージするか。ここが,日本の勝負所だ。環境科学,LCA研究の第一人者として多忙な日々を送る筆者が,毎日の生活の中で触れた家電製品やデジタル・ガジェットを通して,21世紀的な商品コンセプトとは何かについて考察する。
安井 至(やすい・いたる)
独立行政法人製品評価技術基盤機構
(NITE)理事長
前国際連合大学副学長
東京大学名誉教授
1945年東京生まれ。東京大学工学部卒,同大学院博士課程修了。東京大学にて,助手から講師,助教授を経て1990年に教授。生産技術研究所勤務。専門は工業化学,材料化学,環境科学。2007年末まで国際連合大学副学長として,環境および持続可能な開発プログラムを担当。その後,科学技術振興機構プリンシパルフェローを経て,2009年4月より現職。