図1 記者らと話をするエディターズ 代表取締役の岸朝子氏。
図1 記者らと話をするエディターズ 代表取締役の岸朝子氏。
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図2 ホワイトアスパラのうにソースは,岸氏によると「お行儀は悪いけれど,ソースと混ぜてしまった方がいい。その方が,味がつく」そうだ。が,筆者が気付いたときには既に残っていなかったため,味は分からない。写真右はさくらんぼ。
図2 ホワイトアスパラのうにソースは,岸氏によると「お行儀は悪いけれど,ソースと混ぜてしまった方がいい。その方が,味がつく」そうだ。が,筆者が気付いたときには既に残っていなかったため,味は分からない。写真右はさくらんぼ。
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 北海道洞爺湖サミットで,報道関係者向けに開設された国際メディアセンター(IMC)では,農林水産省などが中心となって日本食や日本食材の魅力をアピールするイベントが展開された。今回,料理の監修を担当したのが「おいしゅうございます」のフレーズで有名な食生活ジャーナリストの岸朝子氏である。2008年7月7日(月)には,同氏の監修した料理を提供するレストランに自ら姿を現し,記者たちから質問を受けていた(図1)。

 この日の料理のテーマは「クール・アース」にちなんだ省エネ料理。今回のサミットの重要課題である温暖化やエネルギー危機に対して,料理の立場から対策を始めようという発想だ。例えば,代表的な日本料理の一つに「刺身」があるが,加熱するエネルギーが不要であるため,調理段階でのエネルギー消費を抑えることができる。イモ類の中でも生食できる「長いも」も省エネ食材と考えられるらしい。

 7日の昼食に出されていたのは「ホワイトアスパラのうにソース」やメロンなどの果物(図2)。地元産の食材を使用しているので,輸送時に生じるCO2排出を抑えることができそうだ。ただし,この企画,もともとは日本食材のよさを海外メディアなどにアピールするもの。ということは,日本から食材の輸出を増やし,結果としては輸送時のCO2排出量を増やしてしまうことになるのではなかろうか。遠くまで輸送すると,調理段階で頑張ったくらいでは挽回できないほど,CO2を排出してしまうことになると思うのだが…。