洞爺湖サミットの開かれる洞爺湖町は,町内の白熱電球をすべて省エネの電球型蛍光灯に取り替えるとかいう話をひと月ほど前に聞いた。最初は,政府が音頭を取っているのかと思い,ちょっといやな感じがしたが,よくニュースを読むと,地元の観光協会の人たちが何とかサミットを盛り上げようと考えたお祭り的なイベントのようだ。電球型蛍光灯メーカーの協力で,町内の5000世帯を対象に無料配付したとのこと。

 私は蛍光灯の色があまり好きでないので,家の照明にはずっと白熱電球を使ってきた。ただ,調光式ダウンライトとスタンドで室内は薄暗くしているので,それほど消費電力は多くないはずと思っている。ただこういうご時世なので,電球型蛍光灯というものがどんなものか,試験的に導入してみることにした。

 世の中には私のような蛍光灯嫌いの人もいるが,照明の色などあまり気にしたことのない人も結構多い気がする。そういう人と議論すると,必ず負ける。感性上の問題はいつも経済上の問題に負ける。その結果,白熱電灯使用禁止などの風潮が広まると困るなあと,心から思っている。したがって,以下はアンチ蛍光灯派としてのバイアスがかかったレポートである。

 まず,一番心配だった色の問題。電球型蛍光灯のうち,一番白熱電球に近い色合いのものを使ってみたが,多少白っぽい程度でそれほど違和感はなかった。とくに,スタンドの笠の中に入ってしまう分にはまったくわからない。玄関の外灯もOK。消し忘れの多い廊下や階段もOKだが,スイッチを入れた直後は結構暗いのが問題だった。そのため階段など,かえってつけっぱなしにしてしまう傾向がある。

 調光式ダウンライトには今のところ置き換え不可能。調光式でなくても,電球型蛍光灯は外形が大きいのでミニクリプトン球などを使っている照明器具に入らないことが多い。また発光面積が大きいのでスポット照明には不向き。ということは,メリハリのない照明になりやすい。

 最大の問題はコストだ。高すぎる。大手メーカーの製品は60Wクラスで1000円前後。これだと,トイレや洗面所など使用時間の短い用途ではなかなかペイしない。専業メーカーのものだと400~500円のものもあるが,外形が大きくて明るくなるまでの立ち上がりが遅い。先日,この安いタイプをキッチンの流し台の上にこっそり付けておいたのだが,家人の評判はすこぶる悪かった。つけ始めが実に暗く,わびしい。昭和30年代の寂しいアパートの台所みたいねと言う。エコ・ブログだかなんだかってのを書いたら,さっさと元に戻しておいてね,と言われてしまった。