丸の内の昼休み

 ランチタイム時、ビジネスパーソンのメッカ、東京・丸の内の仲通りは多くの働く人たちで一杯になる。よく見るとかなり外国人の方々も混じっている。日本のビジネス界でも多くの外国人が働くことになったのだろう。

 ただ、国内主要企業の本社を見ると、まだまだそこは日本人だけの牙城である。上場企業でも、いわゆる課長級以上の管理職に多くの外国人を入れている企業が一体どれだけあるのだろうか。部長、役員、社長となれば、その数はぐっと減ってくるはずだ。外国人が出席する取締役会を開いている企業など、ごくごく一握りだと思う。

 ここで一つ触れておきたいことがある。私たちは外国人というとすぐに欧米の白人を思い浮かべる。しかし、世界には実に様々な人種、民族がいる。そのことを忘れてはならない。日本企業に「外国人の役員はいますか」と問えば、「います」と答えるところもいくらかはあるだろう。しかし、非白人の役員、たとえばアラブ系、アフリカ系、アジア系などの出身者はと聞くと、その数はぐっと減るのではないか。

 日本企業の海外支店や海外関連会社を見てみよう。こちらはさすがに人数的には現地採用が圧倒的に多い。だが、主要ポストやトップとなると、これまた日本人が独占している。もちろん例外もあるが。海外にあってさえ、日系企業の多くは「日本人の、日本人による、日本人のための」ものになっている。これが現実である。

運転免許の試験

 ニューヨーク駐在時代のことである。自動車免許の試験場に行くと「何語で受験するのか」と聞かれ一瞬意味が分からなかった。当然英語だと思い込んでいたからである。驚いたことに、スペイン語、日本語、中国語と何でもござれ。移民したての新米国人が明日からの生活のためには必須の免許証だが、英語で受験したのでは受からない人がほとんど。だから当然だと言うのは簡単だが・・・。