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末吉竹二郎=国連環境計画・金融イ二シアテイブ 特別顧問
2008/05/09 10:00
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外は外、内は内

 今年は日英通商開始から150年目に当たるという。江戸の鎖国の夢を破った米国も含め、日本が欧米の列強と付き合いを始めてはや1世紀半の歳月が流れたのである。この間、様々なことがあった。幾多の戦争にも巻き込まれた。最後の戦争では完膚なきまで敗れた。だが、先進国から多くを学び、東洋の奇跡とまで言われた経済発展も成し遂げた。こんな風な付き合いを150年もの間やってくると、わが国はきっと様々な点で国際化が進んだに違いないと思い、日本はもう立派な国際社会の一員として受け入れられていると考えたくなる。だが、本当にそうなのだろうか。

 「そんなことを気にする必要はない」と思われる方あるだろうし、「日本中心の国際社会を構築すべし」との意見もあるかもしれない。しかし、鎖国でもするならいざ知らず、こうした世界と交わりながら暮らし、グローバルな経済活動を続けていきたいと考えるならば「自国は国際社会の中でどのような存在なのか」を意識するのは当然のことだと思う。そうだとして、果たして国際化の実態はどうなのであろうか。国際化の本質を「自国だけの視点でなく、広く多面的、グローバルな視点でモノを見る、モノを考えること」と捉えるなら、日本は欧米諸国と肩を並べる国際社会の主要メンバーとして受け入れられているのだろうか。

 いまさら、なぜこんな疑問を呈するのかといえば、最近の国内状況がどうも「内向き」だと感じるからである。グローバル化と逆行するように、「外は外、内は内」という単純すぎる割り切りでモノを考える風潮がこの時代を覆い始めているような気がしてならないのだ。

 年間1700万の日本人が海外を訪ねる。時間的、金銭的、健康的に海外旅行が可能な日本人の3~4人に1人は毎年海外に出かけている勘定になるのではないのか。ものすごいことである。一方、メディアを通じて海外の情報は毎日洪水の如く流れ込んでくる。でも、それはあくまで表面上にとどまっているように思う。

 何も起きていない、いや一層の内向き化が進んでいるのではないか。それが私の疑念である。例えば、これだけ海外旅行が一般的になったにもかかわらず、逆に日本の若者は海外に行かなくなっているようだ。何と最盛期に比べ35%も落ち込んでいるそうだ。最近、海外勤務を言い渡されると拒否したり、退社する若者が多いとも聞く。日本人の内面で、何か変化が起き始めているのだろうか。そうだとしたら、一体なぜなのだろうか。経済統計などの数字ではなく、生身の人間としての側面からこの問題を考えてみたい。

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