新たな操作法の提案が相次ぐ

 携帯型のインターネット端末でユーザー・インタフェースが重要になるのは,使いやすさと携帯性の両立が難しいからである。機器への入力を容易にし,できるだけ多くの情報を表示するには,キーボードや画面は大きい方がいい。ところがそうすると,持ち運びやすさは損なわれる。iPhoneのユーザー・インタフェースは,あくまでもこの問題に対する解の一つにすぎない。多くの携帯機器メーカーが,自社ならではの魅力あるユーザー・インタフェースを実現しようと努力を重ねている。

 2008年2月の「Mobile World Congress 2008」で,その一端が明らかになった。英Sony Ericsson Mobile Communications社は,タッチ・センサを内蔵した3型液晶パネルに,光センサ「optical joystick」やQWERTYキーボードを備えたWindows Mobile端末「XPERIA X1」を披露

動画XPERIA X1の画面表示切り替えの様子(約11秒の動画)
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 韓国Samsung Electronics社韓国LG Electronics社は,タッチ・パネルによる操作に振動を組み合わせて,ユーザーに操作感を伝える端末を展示した。オランダPolymer Vision Ltd.は,電子ペーパーをディスプレイに使った端末を見せた注2)

注2)超小型パソコンでも,新たなユーザー・インタフェースの模索が続いている。東芝は,2008年1月の「2008 International CES」で,UMPCに向けた独自のユーザー・インタフェースを公開した

動画 U900 Soulをサブ画面で操作した動き(約17秒の動画)
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動画 KF600のサブ画面で操作する様子(約53秒の動画)
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 現行のパソコンで標準的なGUIは,マウスやウインドウ・システムが提案されてから何十年もかけて現在の形に進化した。インターネット端末のユーザー・インタフェースも現在の姿がゴールではなく,今後何年もかけて成熟していくことになるだろう。OSの寡占化によってユーザー・インタフェースが標準化されたパソコンと異なり,機器の外形寸法やメーカーによって,何種類もの方法が混在しそうだ。