いつまでもしぶとく生き続けてくれる両親を見送った帰り道に、1本だけ桜の木がある小さな公園が目に止まった。若いカップルが幸せそうに携帯カメラの写真を撮りあっている。その光景が何とも慎ましやかで、「二人だけの幸せ満開パラダイス」を眺めていると何だか甘酸っぱい思いが湧き上がってくるようであった。「人の裏に道あり」とはよく言ったもので、大混雑の花見会場を避けて二人静かに桜と春を楽しむ。おつな花見をするものだ、やるじゃないか若者、と思ったのである。

 これからの世代は、「みんながそうするから自分もそうする」というこれまでの価値観から脱却し、「自分はそれで幸せを感じるからそうする」という本筋を見極めた価値観へと原点回帰するのかもしれない。

 以上が小生の花見3部作である。それぞれの心情キーワードをこれからの時代キーワードにまとめるとこんな感じか。

 「第二の人生にラストスパートを賭ける団塊世代」「元気な老人パワー炸裂ニッポン」そして「慎ましやかに幸せを求める若者世代」。これをまとめて「リブートする日本パワー」。え?「カタ過ぎでおもしろくない」とおっしゃりますか、はい、それでは再提出としてこんなのはいかがでしょう。

 「セカンド思春期につっ走る団塊世代」「爆発する狂い咲き高齢者パワー」、その一方で「おつな人生を送る次世代若者」。これをまとめて「狂い咲き熟年とシラケる若者」…

 てな感じでまとめてみたけど、いやこれって自分の心情そのものではないかと気付く。「狂い咲き世代」「おつな人生」はどちらも、自分の願望そのもの。まぁ、これまでお目にかかった有能なマーケッタ諸氏の大半も、自分の価値観を大切にしながら市場分析されていたようだし、これでよしと信じよう。そもそも、未来を正確に予測することなどできっこないのだから。

読者の方へ
この連載では“起業案100を書きなぐる”をマラソンしてみようと思います。
身の回りの体験をヒントに脳裏に浮かぶ起業空想ロマンを書きなぐりしてみようと思うのです。
「人気がないから今回まで」と編集担当者が言えばそれまでですが、インターネット時代だから続きは我輩のサイトで行う所存でございます。