技術経営 技術者が知っておきたい経営と市場の最新情報
 

実績はあるが、ヴィジョンはあるか

末吉竹二郎=国連環境計画・金融イ二シアテイブ 特別顧問
2008/04/02 14:20
印刷用ページ

 いま、日本は国内問題で汲々としていて、世界へ目を向ける余裕がない。だが、世界は21世紀型社会の構築を目指し、様々な分野でダイナミックな変化を始めている。日本はこの奔流の中で一体どこを目指そうとしているのか。その進路が見えぬ中、日本は決定する意志さえ持とうとしないようにみえる。一つ一つの決定が、われわれ日本人の生活はもとより、世界の人々の将来にまで大きな影響を与えていくことは明白なのに。

 本当は何をすべきなのか。そのためにはどんな視点をもつべきなのか。そのことについて今回は考えてみたい。

世界への共感性

 日本は1国だけでは生き延びて行けない。これが第1に持つべき視点である。エネルギー、原材料、食糧、工場、市場、株主、さまざまな分野で日本は全てを海外に依存している。依存しないと、現在の生活水準を維持できないのだ。つまり、日本を考えることは世界を考えること、世界を考えることは日本を考えることである。日本は世界と利害を共有していることをもっと深刻に認識すべきだろう。世界が弱れば日本が弱り、世界が混乱すれば日本が混乱する。世界が安定すれば日本が安定し、世界が健康になれば日本が健康になる。世界あっての日本なのである。

衡平の原則

 第2の視点は、日本では馴染みの薄い法的概念だが、「衡平の原則(Equity)」である。元来、法律は万人に共通で公平に適用されるべきものである。権力者であれ社会の弱者であれ、共通に適用されることが前提。だが、よく考えてみるとこの万民にとって公平と言う概念はいつ如何なる状況下でも正しいのだろうか。もっと言えば、社会的正義に照らしてそうなのだろうか。

 例を挙げて考えてみよう。ここに、ある2者間の契約があるとする。その契約に基づいて一方の当事者が他の当事者に巨額の契約違反金を要求した。その契約書を前提にすれば、その要求は認められる。だが、一方の当事者が巨大な組織を持つ存在であり、他方の賠償金を要求された当事者は経済の知識の全くない高齢者だったらどうか。それでも契約書は生きているとして賠償金を払うべきと考えるのか。

【技術者塾】
実践で学ぶ!システム設計力強化トレーニング(9/2・3開催)

~複雑化する製品の設計情報を見える化し、品質向上と開発効率化を実現~


システム・サブシステムにおいて、要求⇒機能⇒実現手段の順に段階的に設計案を具体化しながら、各段階において異分野の技術が相互に与える影響や背反事項のすり合わせを行うことが重要です。また、元々日本企業が得意なすり合わせをより効率的・効果的に行うために、設計情報を見える化し共通言語とすることが必要です。これらにより、システム目標の未達や見落としを防ぎ、品質向上と開発効率化の実現を目指します。詳細は、こちら
日時:2015年9月2日(水)・3日(木)
いずれも10:00~18:00
会場:京王品川ビル セミナールーム(東京・品川)
主催:日経テクノロジーオンライン
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング