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専門誌の記者は専門分野の素人でよいか?

谷島 宣之=経営とITサイト編集長
2008/04/08 14:20
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 ひょんな切っ掛けからTech-On!に短文を書くようになって、3年あまり経ったが、今回から『虚実の谷間に花が咲く』と題して連載を始めることになった。妙な題名の意図は趣旨文に書いた通りである。実業実学の世界におられるTech-On!読者の方にとって面白い「虚学虚業の話」をあれこれ書いていきたいと思う。

 ただし正直に書くと、連載の題名や企画は後付けであって、自分が書きたい話のネタをいくつか並べてみたところ、いずれも虚の世界、あるいは虚実の世界の話であったので、こういう題名をひねり出した。つまり、書きたいことを書いていきたい。「普段から好き勝手に物を書いているのではないか」と思われるかもしれないが、必ずしもそうではない。

 記者は文を書くことが職業だから、時には上司から命令されてやむを得ず原稿を書く場合もある。命令というほどではないが、編集長や先輩がテーマを決め、「これについて取材して記事を書け」と言われることはしばしばだ。それが続くと、自分で取り組みたいテーマの取材を思い切りして原稿を書きたくなる。ここで注意すべきは、無理やり書かされた原稿が読者から支持され、やる気満々で書いた記事についてはそっぽを向かれることがある、という点である。

 技術者の方々も同じではなかろうか。技術者の方々は物を作ることが職業だから、時には上司から命令されてやむを得ず開発を進める場合があろう。それが続くと、自分で取り組みたい製品や技術の開発をやりたくなるはずだ。ただ、無理やり作った物が顧客から支持され、やる気満々で開発した物がそっぽを向かれるということがある。

 やりたいことを思い切りやればいいというわけではない。文章の世界であれば、読者の理解を得る工夫をしたり、書きたいと思ってもすぐ書かずに、しかるべき時期まで企画を暖めておいたりする。今回取り上げるのは、昨年秋に猛烈に書きたいと思い、いったん下書きまでしたにも関わらずお蔵入りにしていた話である。この話を書くべき時期が来たとは言い切れないのだが、虚実を論じるというテーマに合致するので公開してみたい。

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