環境問題というと、「あれはビジネスではなくボランタリーだ」という意見が多い。そういえばK教授は「環境問題は、しょせんエネルギー変換でしか解決できない。それに儲からん」と3年前に言っていたのを聞いて「こいつ文化人じゃねえ」と思ったことがある。

 しかし人生悠々自適な友人Y氏と飲むと「よく聞け、俺のような勝ち組経営者の勘だと、環境に酔いながら金を払う時代が来る」と言うのだ。翌晩、官僚O氏と飲むと「EUなどヨーロッパ経済圏では、低炭素経済はもはや次期ビジネスとして注目の的になっている。日本は蚊帳の外、しょせんアメリカの傘の下でなにもできないわけよ」とか、あいかわらずな事なかれ主義を述べていた。役人がこんな捨て台詞を吐くときには、実は外圧の恐怖にさらされていることが多い。

 彼の言葉は、2008年はまたもや産業界が業態変換を余儀なくされる前触れのように聞こえる。世界では、新たにCO2に値段をつけ、炭素税を企業に義務付けている。このことが、グローバル化を果たした世界経済環境に大きな変化をもたらすことになりそうだ。

 役人のくせに改革が大好きなD君と有楽町のガード下にある飲み屋で飲みながら話したところによると、「日本ではまだ炭素税は導入していない。しかし北海道洞爺湖サミットがある。『えらそうに京都議定書とかぶち上げたけど、言い出しっぺの日本が何もやってないじゃないかと』バッシングされるのは避けられない。外圧に弱い日本は、企業だけ炭素法人税導入なんてことになるんじゃないか。このままだと、『日本から製品を輸入したら、炭素税を支払っていない分を輸入業者に追徴課税しよう』なんてことになりかねない」という。

いざコンサルティング会社の樹立か

 ピンチである。けど、ピンチはチャンスなのである。起業のヒントは、まさにここにある。