舞台を市場に移し,両規格は激しく攻め合った。ただし,消費者の反応は鈍かった。ソニー・コンピュータエンタテインメントのPS3の出荷台数は,事前の期待ほど急激には立ち上がらなかった。

 年初の「2007 International CES」では,両方の規格に対応できる機種が話題を集めた。いずれは,このような機器が市場を制するとの予測もあった。

 両陣営は,あの手この手で需要の喚起を図る。松下電器産業は600米ドルソニーは499米ドルと安いBlu-ray Discプレーヤーを,それぞれ米国で発売。HD DVD側は,映画会社を寝返らせた。2007年8月20日,両方の規格を使ってコンテンツを提供してきた米Paramoun社と米DreamWorks社が,HD DVD規格のみに対応する方針を発表した

 秋ごろには,日本市場を中心に徐々にBlu-ray Disc陣営がHD DVD陣営を圧していく。2007年10月のCEATECで,規格策定・普及団体のBlu-ray Disc Association(BDA)が市場の現況を報告。国内市場では,Blu-ray Disc規格のパッケージ・メディアの販売枚数が全体の90%を占め,HD DVD規格を圧倒していると主張した。ただし米国では,規格の優位を決定付けるほど差が広がっているとは,必ずしも言えなかった。2007年が終わった時点の世界市場を見ると,対応機器の出荷台数,ディスクの販売枚数ともにBlu-ray Disc側が勝っていたが,極端に大きな差はなかったとみられる

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* Tech-On!ではこれまで,次世代DVDに関する動きを詳細に報道してきました。関連記事は500本以上にも上ります。2002年から各年ごとに分けて動きをまとめるとともに,それらの関連記事へのリンクを集めました。本記事はその2007年版です。