2006年3月31日。東芝は満を持してHD DVDプレーヤーを発売した。当初は2005年内の発売を目指していたが,著作権保護技術「AACS」のライセンス開始が2006年2月までずれ込むなどの理由で大幅に遅れた。実売価格11万円の,高級感を演出した機種だった

 対するBlu-ray Disc陣営の切り札は,2006年春に出荷される予定だったソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」。この製品も,同年11月に発売が延期された。その代わりに,ソニー・コンピュータエンタテインメントは価格を税別5万9800円から,税込み4万9980円に引き下げた。当時のBlu-ray Discプレーヤーの価格は,1000米ドル程度だった。PS3は,極めて安価なBlu-ray Discプレーヤーとみなすことができた。

 HD DVDプレーヤーは,Microsoft社の家庭用ゲーム機「Xbox 360」での採用が決まっていたが,標準搭載ではなく外付けであり,市場拡大の効果は限定的と見られた。PS3に対抗するため,東芝は価格を4万9800円とした普及機の投入を決定。次世代DVDプレーヤーの価格競争は,登場間もない2006年の年末商戦で早くも始まった。

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* Tech-On!ではこれまで,次世代DVDに関する動きを詳細に報道してきました。関連記事は500本以上にも上ります。2002年から各年ごとに分けて動きをまとめるとともに,それらの関連記事へのリンクを集めました。本記事はその2006年版です。