2008年7月26日(土曜日)
東京・新宿の某大型電気店にて

店員:「いらっしゃいませ。北京オリンピックの録画ですか」
客:「ハイビジョンのテレビを録画できるやつありますか。確か,Blu-ray DiscとかHD DVDとかがあるんですよね。それぞれ見せていただけますか」

店員:「あっお客様。今ならBlu-rayもHD DVDも対応できる全部入りのレコーダがお薦めですよ。このレコーダなら安心です。何しろ15種類ものディスクに対応していますから。人気の商品ですよ」
客:「いや,そんなに要らないな。ただ録画ができて映画のディスクがかかればいいんだけど。15種類といってもできることは同じでしょ」

店員:「でも,ご友人がお客様と違う規格のディスクを持っていて,借りて再生できなかったら不便ですよね。映画のディスクも規格によって作品が出なかったり,遅れたりすることがありますから,両対応なら安心ですよ」
客:「………」

店員:「DVDのときもそうでしたけど,どちらの規格も製品になっていますから,全部に対応するしかないんです」
客:「………検討してまた来ます」

店員:「あっお客様。今ならオリンピック・キャンペーン中でこちらの商品は4万9800円でお買い求めになれます。Blu-rayやHD DVD単独のものと比べて5000円しか違わないんですよ。オリンピックの感動はやっぱりハイビジョンで残したいですよね」
客:「うーん」

店員:「ポイントも13%付きますよ」
客:「………それならこれにしておくか。仕方ないんだよね」

店員:「ありがとうございます。これなら間違いないです」
客:「クレジット・カードでお願いします。ふぅ。こんなにいろんな規格を作るなんてメーカーは何を考えてるんだろ。もっと簡単にして安くしてほしい」

店員:「みなさんそうおっしゃいます。でも,メーカーももう後には引けないんですよ。他社もほとんど全部入りです。そうしないと競争になりませんから。ポイントはおためいたしますか。それともお使いになりますか」

市場の存亡を懸けて
今こそ英断のとき