こうしてみると、今回の店舗は、上手にAIDMAの戦略を備えていることがわかる。ついでに、一連のからくりも解いてみよう。ただし、あくまで私的推論であることをご承知いただきたい。

(1)椅子に座らせて重いものを持たせるとき、Tシャツをかぶせたときには話術でなるべく時間を稼ぎ、筋肉疲労を回復してから持ち上げさせるようにする。このとき「さあ、どうでしょう?いきますよーそれ!」といった掛け声で気合を入れさせると、普段より人間は力を発揮するらしい

(2)鏡であらかじめ自分の首を曲がりにくい方に一度曲がらせてからネックレスを首に掛ける。もう一度やらせれば、一度柔軟体操した首はさらに曲がる

(3)30とか300とか数字で表現すると予備知識のない消費者は信じやすくなる

(4)血行を良くするのであれば、保温性の高い服を着たり、適度な運動をしたりすれば済む。つまりこまめにストレッチすればよい

(5)知人からその効用を薦められると信じやすい。はじめは有名選手などが使っている写真から「この選手はテレビでよく見るので知っている→知っている人が、効果があるので身につけている→これは信じられる」と誘導する

(6)「クーポン券が○○円分使えますよ」とのメッセージが、無料でさらに何か買える気を起こさせる

(7)熱意を込めて電話で話せば再びその気になることが多い。セールストークの基本

 とまあ、いろいろ理屈をこねてみた。けど、「そんなの関係ねぇー」のである。結局、いい商品はいい。それだけ。チタンを身につけて3日目、たしかに効くような気がする。それでいいのだ。うん。

読者の方へ
この連載では“起業案100を書きなぐる”をマラソンしてみようと思います。
身の回りの体験をヒントに脳裏に浮かぶ起業空想ロマンを書きなぐりしてみようと思うのです。
「人気がないから今回まで」と編集担当者が言えばそれまでですが、インターネット時代だから続きは我輩のサイトで行う所存でございます。