それを知るために、順を追ってわが行動を自己分析してみよう。

●Attention (注意)=ファーストステップは、視覚や聴覚に訴え「アレ?」と認知させることである。「アテンション・プリーズ」というアナウンスなどがそれに当たる。今回のケースでいえば、店頭に張られている有名選手のポスターを見かけることで、ここは健康・スポーツ関連の何かを売る店舗だと気付いた。これがAttentionである。

●Interest (関心)=店舗だとショーウィンドウ(目玉商品を展示)、広告だとキャッチコピーなどで消費者の関心を誘う。今回のケースでは、被験者は日頃からむち打ち解消情報に高い関心を持っており、この店にはその答えがあるのではないかとの期待の念を抱いたことがInterestにあたる。

●Desire (欲求)=店舗では、客の好みに合った品揃え、広告であれば商品の魅力を引き出した写真や映像などの表現で商品の購買欲を呼び起こす。今回の場合は、商品効果がわかりにくい化粧品のような説明型商品だった。このような商品では実演販売が効果を発揮する。特に我輩のような疑り深い来店客の場合でも、実験を体験させ納得させることができれば「イチコロ」になることがままある。

●Memory (記憶)=この商品は私にぴったりと信じ込ませること、この商品を買おうと意思決定させること。それがツボにはまれば、「チタンは俺に効く」と思い込み無差別に品物を買い込むといった軽率な消費行動を誘引することができる。

●Action (行動)=本来はレジなどで支払いをする行為を指すのだが、我輩はAgain(リピート)、つまりまた買いにきてもらうようにすること、とアレンジして使っている。一度しか来なければ店は成り立たない。固定客として何度も来店してシーズン物、新作物を購入してもらうことで店は維持されるからだ。電話がかかって来たことで、腰ベルトの購入を決めてしまった今回の行動がそれに相当する。