COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 

【8人の女性技術者に聞きました】第2回 「頼りにされていると感じたとき,やっててよかったって思う」

日本ヒューレット・パッカード 溝口雅子氏,水村仁美氏

田島 進=主任編集委員,佐々木三奈
2007/11/08 09:00
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――お二人の「アカウントサポート・エンジニア」というのは,どんな仕事ですか。

溝口 雅子さん
日本ヒューレット・パッカード
テクノロジーサービス統括本部
第二アカウントサポート本部
製造流通サービス三部
溝口 雅子さん(2001年入社)

溝口 一言でいえば,当社のサーバーなどを使用されているお客様とのコミュニケーションの窓口です。障害対応をはじめ,お客様の要望を聞いて技術者に伝えたり,新しい技術や情報をお客様に提供したりする仕事ですね。特に,障害については,未然に予防することに主眼を置いています。ハードウエア・エンジニアやレスポンスセンタのエンジニアは技術寄りですが,アカウントサポート・エンジニアは技術が半分,コミュニケーション能力が半分,といった感じで,そこが面白いと感じています。

水村 私が担当しているのは鉄道会社です。生活に密接なかかわりを持つ鉄道に関するシステムなので,種類が多い上に要求レベルが非常に高く,かなり大人数で対応に当たっています。利用者が少ないときにシステムを止めることが多いので,夜中に対応することもあります。

溝口 レスポンスセンタは,24時間対応なので障害の連絡はそこが受けるんですが,お客様のことを一番知っている私たちにレスポンスセンタから問い合わせが来ることが時々あります。昨日もちょうど夜中の1時すぎに,電話がありました。

水村 レスポンスセンタは,夜間は米国で対応しています。米国はちょうど昼間なので,すごく元気に電話が来るんです,こっちは夜中なのに(笑)。

――サポートは形もないし,終わりも見えない仕事ですよね。

溝口 そうですね。でも,障害の予防活動がうまくいっていたり,システムの変更作業が何事もなく順調に終わったりしたときに,「HPさんのおかげで,障害も少なくて無事に過ごせました」と言っていただけると,本当にうれしくなります。

水村 仁美さん
日本ヒューレット・パッカード
テクノロジーサービス統括本部
第二アカウントサポート本部
製造流通サービス二部
水村 仁美さん(2002年入社)

水村 以前,システムの構築からかかわったことがあったんですが,そのシステムが完成して無事動き始めた瞬間に立ち会った時は,充実感がありました。あとは,自分がそのシステムを実際に使ったときとか。駅の改札でICカードをかざして「ピッ」と鳴ったときに,「これ,かかわってます」みたいな(笑)。私がお客様にとって価値があるものを提供できると,また頼っていただけるんですね。そんなとき,この仕事をやっててよかった,と思います。私の先輩で,お客様から「あの人に担当してもらいたい」と指名された人がいるんです。そんな存在になることが目標です。

――普段の勤務時間はどのくらいですか。

溝口 フレックス制で,コアタイムは11~14時と短いので自由が利くんです。例えば,月の前半に残業が多かったら,後半は,仕事が落ち着けば早く帰るようにすることもできます。

水村 この日は絶対早く帰ると決めたらパシッと帰ってしまうんですが,その分,ほかの日に夜遅くまで仕事をしたりして調整しています。残業も夜間作業もありますし,クリティカルなシステムを支えているのでお客様もシビアなことをおっしゃいますから,仕事はストレス・フルです。でも,本当に責任のある仕事を,若いうちから男女の区別なくやらせてもらえていますし,仕事の時間もある程度は自分でコントロールできる環境なので,リフレッシュしやすいと思います。

――そのリフレッシュの方法は。

水村 健康マニアみたいなところがあって,エステとかも好きなんですけど,最近はリンパ・マッサージにはまってます(笑)。パソコンを10何時間使い続けたり,冷房がすごく利いているマシン・ルームで作業したりすることがあるので,体を癒やしてあげるためにやっています。あとは,長期休暇が取れたら海外旅行に行きたいですね。目標は年2回くらい。

溝口 私も旅行好きですが,1年に1回くらい行ければいいな,と(笑)。最近英国に旅行した影響で,英国ブームが来ています。英国を舞台にした本を読んだり,向こうでミュージカルを見たのでミュージカルの映画を見に行ったり…。別の国を旅行したら次のブームが始まると思いますけど(笑)。


オフィスは,都内の新しい高層ビルの1フロア。広々として,風通しの良い職場という印象だ。日本ヒューレット・パッカードでは,個々に机を持たないフリー・アドレスを導入している。広報部の河本えり子さんによると,社員の約半数がその対象者とのこと。「マネジャーの隣の席に座って,気軽に相談することもできます。マネジャーの電話の内容が聞こえちゃうこともありますけど(笑)」(溝口さん)。また,2007年11月から在宅勤務制度を導入するほか,会社が契約している都内各所にあるレンタル・オフィスを利用することもできるので,スケジュールに合わせて仕事をする場所を選ぶことができる。「自宅でメールのチェックをしてからお客様のところにうかがい,打ち合わせのために夕方,自分のオフィスに戻るといったように,効率化を図れます」(河本さん)。 (画像のクリックで拡大)

女性が活躍している会社のキーワードは「ダイバーシティ」

 女性の採用を増やし,専門職や管理職として活躍の場を広げる。各社の人事制度改革に共通するキーワードは「ダイバーシティ(多様性)」だ。女性だけでなく,外国人,障害のある人など,さまざまなタイプの人が生き生きと仕事ができる環境をつくる。そうすることが会社の活力を増し,社員のモチベーション向上につながるという考え方だ。

 この特集に登場した企業にもダイバーシティを推進する組織や取り組みがある。東芝は「多様性推進本部」,日本ヒューレット・パッカードは「Women at Work Japan(WAEJ)」,三井化学は「わくわく推進チーム」,リコー ソフトウェア研究開発本部は「GET4プロジェクト」。Adobe社もWWWサイトで多様性の推進をうたっている。

 ダイバーシティは人事だけでなく経営にも重要。「モノトーンの特定の人たちだけで経営判断するより,外国人や女性が発言力を持ち,いろいろな観点から意見が出る経営の方が,長期的には有利だといわれています。特にこれから海外へアウトソーシングすることが多くなる日本企業には,絶対に必要な要素でしょう」(リコーの國井さん)。

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