新誠一の「言いたい放題」
目次
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21世紀考 ―6.技術者―
「Tech-On!」は名前の通り技術を論じる場である。それは承知しているが、技術を作るのも、技術を使うのも人である。人抜きでは技術は論じられない。しかし、日ごろ接する技術者は熱く技術は語るが人まで語れる方が少ない。確かに、年配になると人を語る方も増えてくる。多くは、憂いである。
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21世紀考 ―5.情報端末―
巷ではスマホかタブレットかが姦しい。情報端末については、1995年と1997年にオーム社から出版した著書「ハロー!PHS」および「たまごっち学術考」で将来予測を行った。前者は、電話がデジタル化されると話すための電話では無くなり、無線デジタル通信網となるという予想である。後者はたまごっちサイズの情報端…
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21世紀考 ―4.エネルギー―
さて、情報、物質の次はエネルギーである。電子計測器&システムガイドブック2001(日本電子機械工業会編)では、「石炭→石油→メタン」という変遷で解説した。石炭で動く戦艦が石油で動く航空機に負けた第二次世界大戦が「石炭→石油」への象徴と論じた。しかし、とどめは原子爆弾だった。その意味で、「石油→原子力…
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21世紀考 ―3.物質―
21世紀考、情報の次は基本の基、物質である。物質の変遷として「金属→無機物→有機物」という流れを電子計測器&システムガイドブック2001(日本電子機械工業会編)では、解説した。そして、21世紀は有機の時代と予想した。
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21世紀考 ―2.情報―
20世紀は物質、エネルギー、情報の三階層モデルであることを前回論じた。21世紀は、この三階層の融合である。まずは、それぞれの階層の21世紀における展望を明らかにしたい。三階層の最上層、20世紀の申し子、情報から見て行こう。
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21世紀考 ―1.世界モデル―
2012年。21世紀も始まって10年以上。20世紀末には、21世紀の技術予測が盛んに行われた。ご多分にもれず、私も電子計測器&システムガイドブック2001(日本電子機械工業会編)の巻頭を飾らせていただいた。
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2012年、波乱の幕開け
震災、円高、洪水と踏んだり蹴ったりの日本の製造業にとっての2011年。しかし、日本の製造業は試練を乗り切った。凄いことである。内容留保が厚いのか、経営者が優秀なのか、要因としていろいろ考えられる。けれども、現場力が優れていることは明白である。世界に例を見ないボトムアップ経営、世界が羨ましがっている。…
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年末考
今年も既に12月。大変な年も過ぎようとしている。2011年は,私の人生で忘れられない年となった。普段はしない年末考。今年は特別。振り返ってみよう。
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独創性
大学教員は教育者。もっとも,高校までの先生と違い教職免許は不要。最近は博士号所得が大学教員採用では必須となってきたが,これは研究に対する資格であり,教育ではない。私が教員となった数十年前。特に教育法に関するガイダンスはなかった。もっとも,業務に関するガイダンスも皆無であった。先輩の先生方の背中を見て…
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システム考
先月,本コラムの編集者のお世話になって中国で講演させていただいた。新幹線事故の後なので,いろいろな方から乗り物に注意するようにというお言葉を授かって訪中した。
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モノマネ考
先月、三菱一号館美術館で開催されていた「もてなす悦び展」に足を運んだ。茶器を中心に、明治になって鎖国を解いた日本文化が、欧米に与えた影響を分かりやすく展示してあった。1990年前後のバブル時代の代名詞ともいえるティファニーの出発点は、日本文化の影響を受けた朝顔の器だったそうである。VISA誌7月号に…
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更新考
大震災から5カ月、原子力発電所問題は未だ収束していない。しかし、この問題を評価する時間はとれるようになってきたと思う。ここでは、更新問題を考えていきたい。
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工場立地考
どこに工場を作るかは1985年のプラザ合意後の円高不況からの長年の課題である。そして,東日本大震災後の復興におけるキーワードの一つである。復興に限定すれば,地元,西日本,海外の三択であり,それぞれの会社がそれぞれの選択を決めたところであろう。ここでは,もう少し大きな視野に立って考えていこう。
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環境問題考
発生から3カ月近くが経過した東日本大震災。福島原発はいまだ不安定な状況であるが,復興の動きも始まった。社会の動きに平行して,大震災による被害に関する見直しも進んできた。確認できたことの一つは,我が国の持ち味は現場力ということだろう。危機に及び強力なリーダーシップを発揮した偉人も過去にはいるが,皆現場…
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製造業クラウド考
クラウド,クラウド,クラウド。世の中はクラウド流行りである。クラウドはスケーラブルなシステムを作りやすいし,システム管理をクラウド側にお任せできるなどのメリットがある。だから,製造業にもクラウド利用という話が出てくるのは必然である。しかし,新し物好きの製造業,同時に保守的である。リアルタイムでものづ…
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想定外考
今回の震災は,「想定外」の地震,「想定外」の津波,そして「想定外」の原子炉暴走,「想定外」の計画停電だそうである。マグニチュード9の地震も,15mを越える津波も,非常用発電機の流出も,毎日3時間の停電も前例がない。つまり,3.11以降は前例ベースの将来像は意味をなさないということである。
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手戻りは善
設計も生産も手戻りは悪。ウオーターフォール型で一気通貫が理想と言われている。確かにYes。しかし,No。どうも日本人は極端に振れる。それでは戦略性は出てこない。
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日本の強み
さて,日本の強みとは何だろう。まずは敵を知れ。欧州は陸続きの長い歴史の中で階級を生み,そのアーキテクチュアが染みついている。貴族は貴族,庶民は庶民である。これを階級派と呼ぼう。そのアーキテクチュアを嫌った人々が移住して作った国が米国である。ここでは,階級に縛られず金儲けが善の文化である。アメリカン…
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初夢語り日本
明けましておめでとうございます。本コラムは辛口と位置付けられている。しかし,委縮した日本に辛口では先細り。委縮時は甘口が適当かもしれない。実際,甘口論評が散見されるようになってきた。それに天邪鬼(あまのじゃく)を自任する身には辛口ばかりでは飽きが来る。少し甘口を味わってみよう。そんな訳で,今回は新…
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スマートグリッド考
スマートグリッド,スマートメータ,スマートコミュニティと世の中が騒がしい。10年以上前から省エネに関わる身にとっては,どこもかしこもスマート●●で少し腹立たしくもある。人間が小さい。省エネを盛り上げていく政策が必要との提言が実行されていると見れば,大いに喜ぶべきことである。