連載主旨
技術を至上の価値に,至上の価値を無敵のビジネスに---。
 「技術力には自信があるんだ。でも商売がヘタでね」。以前はよく,多くの企業幹部や技術者がこういうせりふを口にしていた。特に「商売がヘタでね」の部分は,それが技術に専心している者の自負であるかのように胸を張って語られたが,そうした時代は過ぎ去りつつある。
 単に技術の中身を紹介するだけでなく,技術を価値へと昇華させるプロセスについて論じる場。そうした場の一つとして,このコラムをお届けしたいと思っている。
 なお,このコラムは,日経ベンチャー経営者クラブのサイトで連載してきた過去のコンテンツを引き継ぎ,新たにTech-On!において再スタートするものである。
山田太郎(やまだ・たろう)
参議院議員、東京都大田区出身
優れた技術やサービスをもつ日本企業の海外展開支援や資金調達の支援をクロスボーダーで行う、日本では新しい形のサービスを提供。ネクステック株式会社を立ち上げ創業し、代表取締役社長に就任。3年半で東証マザーズに上場した経験を元に、数社の上場支援なども行った。中国上場企業の北京兆維電子の情報子会社など数社を買収、中国展開も積極的に行ってきた。その後、株式会社ユアロップを設立。世界の情報商社として、中国、インドネシア、モンゴル、ミヤンマー、タイ、マレーシア、ベトナム、香港、シンガポールなどへの進出支援サポート、マーケティング支援、直接投資などを行う。2012年に参議院議員(みんなの党所属)に当選。現在、参議院政府開発援助等に関する特別委員会(ODA特別委員会)等に所属。経済成長戦略、TPP、企業の海外進出、地域活性化、農政改革等、政策や課題に積極的に取り組んでいる。「第1回日中韓若手経済人」優秀若手経済人賞を受賞し、 東京大学工学部・早稲田大学理工学部非常勤講師、や経済産業省「ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会」委員、、和僑会(北京、香港)顧問、また、講演、執筆活動、研究開発等、国内外で活発に行っている。
URL http://taroyamada.jp/ メール info@taroyamada.jp

生島大嗣(いくしま・かずし)
アイキットソリューションズ 代表
大手電機メーカーで映像機器、液晶表示装置などの研究開発、情報システムに関する企画や開発に取り組み、様々な経験を積んだ後、独立。「成長を目指す企業を応援する」を軸に、グローバル企業から中小・ベンチャー企業まで、成長意欲のある企業にイノベーティブな成長戦略を中心としたコンサルティングを行っている。多数のクライアント企業の新事業創出/新製品企画・開発等の指導やプロジェクトに関わる一方、公的機関等のアドバイザ、コーディネータ、大学講師等を歴任。MBA的な視点ではなく、工学出身の独自視点での分かりやすい言葉で気付きを促す指導に定評がある。経営・技術戦略に関するコンサルティングとともに、講演・セミナー等の講師としても活躍中。

山口栄一(やまぐち・えいいち)
同志社大学 教授
1955年福岡市生まれ。東京大学理学部物理学科卒業(1977年)、同大学院修士修了(1979年)。理学博士(1984年)。1979年、日本電信電話公社入社。米University of Notre Dame客員研究員(1984年-1985年)、NTT基礎研究所主任研究員・主幹研究員(1986年-1998年)、仏IMRA Europe招聘研究員(1993年-1998年)、21世紀政策研究所主席研究員・研究主幹(1999年-2003年)を歴任し、2003年より現職。科学技術振興機構 研究開発戦略センター特認フェロー(2006年~)、文部科学省トップ拠点形成委員会委員(2006年~)。 アークゾーン(1998年)、パウデック(2001年)、ALGAN(2005年)の3社のベンチャー企業を創業し、各社の取締役。近著に、『JR福知山線事故の本質―企業の社会的責任を科学から捉える』(NTT出版、2007年)、『Recovering from Success: Innovation And Technology Management in Japan』(共著, Oxford University Press, 2006年)、『イノベーション 破壊と共鳴』(NTT出版、2006年)など。

田中 栄(たなか・さかえ)
アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー
1990年、早稲田大学政治経済学部卒業。同年CSK入社、社長室所属。CSKグループ会長・故・大川功氏の下で事業計画の策定、業績評価など、実践的な経営管理を学ぶ。1993年マイクロソフト入社。WordおよびOfficeのマーケティング戦略を担当。‘98年ビジネスプランナーとして日本法人の事業計画立案を統括。2002年12月に同社を退社後、2003年2月アクアビットを設立し、代表取締役に就任。主な著書「未来予測レポート2010-2025(全産業編)」「デジタル産業2007-2020」「未来予測2008-2020食の未来・編「自動車の未来2009-2025」(日経BP社)など。北海道札幌市出身、1966年生まれ。

川口盛之助(かわぐち・もりのすけ)
アーサー・D・リトル プリンシパル
慶応義塾大学工学部卒、米イリノイ大学理学部修士課程修了。日立製作所で材料や部品、生産技術などの開発に携わった後、KRIを経て、アーサー・D・リトル(ADL Japan)に参画。現在は、同社プリンシパル。世界の製造業の研究開発戦略、商品開発戦略、研究組織風土改革などを手がける。著書に『オタクで女の子な国のモノづくり』(講談社)がある。

藤末健三(ふじすえ・ けんぞう)
早稲田大学 客員教授,参議院議員
1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授。公式ブログはhttp://www.fujisue.net。

Lucy Craft(ルーシー・クラフト)
ジャーナリスト
米国南部のノース・カロライナ州生まれ。米メリーランド州立大学で中東史を学び、卒業後、米国で主に政治分野の報道に従事。1982年に特派員として来日。1990年、一時帰国し米コロンビア大 学で 国際関係学修士(MIA)を取得。この間を除き、20年以上にわたり東京を拠点として報道に従事してきた。現在はリポーター兼プロデューサーとして、米国 の民放(CBSニュース)や公共(PBS)ラジオ・テレビ放送などを通じ、日本やアジアのビジネス・経済や社会トレンドについて情報発信している。

古田健二(ふるた・けんじ)
フュージョンアンドイノベーション 代表取締役
総合電機メーカーの開発技術者を経て、経営コンサルタントへ。一貫して「経営と技術の融合」を活動テーマとする。個別企業のコンサルティング活動に加え、技術経営研究センター、社会経済生産性本部、関西生産性本部、企業研究会などにおいてテクノロジーマネジメントおよび新規事業マネジメントの講師・コーディネーターを担当。著書に『テクノロジーマネジメントの考え方・すすめ方』『新規事業パワーアップノート』、近刊に『第5世代のテクノロジーマネジメント』がある。技術経営に焦点を当てた日本における唯一の定期刊行物である「月刊テクノロジーマネジメント」も発行している。連絡先:info@fandi.co.jp