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コラム

オートサロンでウエディングドレスの展示??

2007/01/16 12:10
櫛谷 さえ子=日経Automotive Technology
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 カスタマイズカーやパーツ、カーアクセサリーなどを展示した東京オートサロン2007が2007年1月12〜14日に開催された。車関連の展示のほか、レーシングカーのデモランやカート大会、ライブ、撮影会、トークショー、抽選会、福引などのイベントも多く実施され、多くの人で賑った。3日間の延べ入場者数は24万9197人に達した。

 満員電車の中のような会場内をすり抜けつつ見回っていると、あれ?と思うものが目に飛び込んできた。なんと純白のウエディングドレスである。レースクイーンやブース内のイメージガールが着ていたわけではない。ましてや来場者が着ていたのでもない。やや小ぶりだが、本当にドレスが展示されていたのだ。

 さっそく聞いてみると、実はこれ、車椅子の人(チェアウォーカー)用のウエディングドレスだという。アトリエロングハウス内のピロレーシング代表である長屋宏和氏が考案したもので、チェアウォーカー用として様々な工夫が凝らされている。製作は、母親の長屋恵美子氏が代表を務めるアトリエロングハウスの工房が手掛けた。

 長屋宏和氏自身もチェアウォーカーだ。14歳からレースを始めて4輪レーサーとして活躍していたものの、2002年にレース中の事故で頸椎(けいつい)損傷四肢麻痺となり、チェアウォーカーとなった。リハビリ後、2004年12月にはチェアウォーカーで指が不自由な状態ながらもカートレースで完走し、レース復帰を果たす。その後、「チェアウォーカーだって、いつも自分の好きな洋服を着たい」という気持ちから、2005年6月にチェアウォーカーファッションブランド「ピロレーシング」を立ち上げ、機能性はもちろんのこと、ファッション性にもこだわったチェアウォーカー用衣料の販売・直しを始めた。

 自分が着たい服・着やすい服として、チェアウォーカー用ジーンズも考案し、会場でも展示販売していた。こうした男性用の服なら、自分が欲しいものを作っていけば外れることはほぼない。では女性ならどういう服が欲しいだろうか――。こう考えて挑戦しようとしたとき、その対象として普段着のスカートや外出用の上着なども候補に上がったが、まず女性にとって一大イベントである結婚式に着るウエディングドレスを作ろうと思ったという。

 このウエディングドレスは、スカート部のフレアで車椅子ごと覆う形になっていて、とてもかわいらしいデザインだ。車椅子を後ろから押す場合には、後部フレアの切れ込みに手を入れれば簡単にグリップを握れるようになっている。着るときも脱ぐときも苦労しないように、伸縮性のある布地を使用するとともに、上下セパレート型となっている。スカートの下には、ふだん履き慣れたパンツなどを着用してもらうため、長時間着ていても疲れない。

 安全性にも気を使っている。移動時に布をタイヤに巻き込まないように、サイドの内側にワイヤを入れて横に張り出し、その上にスカートを広げることで、デザインを壊すことなく布の巻き込み防止を実現した。

 今回展示したのは「2世代目」のパターン。最初のパターンは、2005年9月に横浜で開催されたファッションショーに出展。ショーを見て気に入ったという女性が実際に着用して結婚式を挙げた。今回の2世代目のパターンも今秋に挙式する女性が着用する予定だという。ピロレーシングでは販売だけでなくレンタルもしており、結婚したときは着られなかったが、写真だけでも撮りたいと希望する人などに貸し出している。

 長屋氏はもともとレースの仕事をしていたため、クルマ関係の知り合いが多い。そうした知り合いから今回のオートサロンへの出展をオファーされ、自分の活動やチェアウォーカー用の洋服があることを、多くの人に知ってもらいたいと考えて出展を決めたという。会場にはチェアウォーカーも訪れており「(オートサロンで)こういうものがあるのかと、驚かれています」という。健常者も多数の人がブースの前で足を止めて見入っていて「多くの人に知ってもらいたい」という目標に手ごたえを感じていたようだ。

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