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HOMEスキルアップマネジメント谷島宣之の「さよなら技術馬鹿」 > エンジニアはセールスをしよう ~ ダイソン本人に聞く「how to do a Dyson」その2

谷島宣之の「さよなら技術馬鹿」

エンジニアはセールスをしよう ~ ダイソン本人に聞く「how to do a Dyson」その2

  • 谷島宣之=日経コンピュータ副編集長、日経ビジネス編集委員、ビズテックプロジェクト担当
  • 2006/03/24 16:59
  • 1/1ページ

 さて前回に続き、ジェームズ・ダイソン氏当人に聞いた「how to do a Dyson」についてご紹介する。ダイソン氏は、紙パックがいらない掃除機の発明者であり、英ダイソン社の創業者兼会長である。

 同氏の自伝『against the odds』(邦訳『逆風野郎!』の中に、「ダイソンする(doing a Dyson)」という言葉が出てくる。前回ご説明したように、「ダイソンする」の意味は、「自分の発明を自分でデザイン(設計)+開発+製造+市場開拓+販売すること(designing,engineering,manufacturing,marketing and selling one's own invention)」である。

 昨年、ダイソン氏にインタビューした時、「ダイソンする」について、その意図を聞いてみた。

「あなたの本を読んだ若いエンジニアの多くは、デザインからエンジニアリング、セールスまで全部を自分でやらなくてはいけないのだな、という印象を受けると思います。これは誤解でしょうか?」

「とんでもない。とてもよく解ってくれたと思う。その通りだから」

「そうしますと、次の疑問がうかびます。デザイン、エンジアリング、セールスまで全部一人でやるというのは果たして現実的なのかと。デザイナ、エンジニア、セールス、それぞれの専門が集まってチームで仕事をするのが普通では。以前、『ダイソンする』について紹介した時、読者からもそうした意見がありました」

「ええと、まず僕のことを話そう。幸運なことに、僕はデザイナとして、そしてエンジニアとして教育を受けた。というわけで、基本から仕事を学び、テクノロジーとプロダクトを設計(デザイン)し、開発(エンジニア)することができた。でも僕は、プロダクトを実際に売ってみることが重要だと考えている。なぜかというと、プロダクトを売ってみると、そのプロダクトを買ってくれた人々のことがよく解る。そうすると、人々がなぜ製品を買ってくれるのか、どのように使っているのかを十分理解した上で、次のプロダクトの設計に取りかかれる。これはたいへんなインテリジェンスになる。だから僕はセールスにずっと関わってきた。もっとも今は、それほど時間がとれないけれど。とにかくフィードバックがとても大切だ。これまでたくさんのプロダクトを作ってきて、僕はいつもセールスマンを兼ねてきた。ボートを作った時、これは軍用のボートだったのだけれど、その時もセールスマンをした。プロダクトを売ることはとても楽しかったし、たくさんのことを学んだ。自分で売ってみないと、人々が何を求めているか解らないと思う。プロダクトを作る時、たいていの場合、人々に何が欲しいか聞く。市場調査とかをして。そして、『こういうプロダクトが欲しい』という声にしたがって作ってみる。僕に言わせれば、そのやり方は一方通行に過ぎない。人々が欲しいものを理解してプロダクトを作ってこそ、もっといいプロダクト、もっと興味深いプロダクトを作り出せる。市場調査に答える時にこういうものが欲しいと言っている時より、実際に買うと決めた時のほうが、はるかに人々の真意を理解できる。それが解ってこそ、前に進むことができる」。

 非常に長いコメントになったが、以上はダイソン氏が実際に一息で話した内容をそのまま書き起こしたものだ。思いがよく出ているので、そのまま掲載してみた。では、インタビューの続きを紹介する。

「よく解りました。つまり、デザイナやエンジニアは広い視野を持つべきだ、そのためにはセールスの経験をしてみるのもよい、ということですね」

「そうだね」

「すべてのエンジニアに、あなたのように独立して会社を作って、一人で何から何までやれ、と言っているわけではないと」

「うーん。小さいビジネスを始めるときは自分で全部やったほうがいいと思う。僕は、僕を助けてくれる人を早く見つけることができた。でもそれ以前は、会計から何から、全部自分でやっていたよ。うまくできなかったが、とにかくやってきた」。

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