日産自動車「セレナ」は、3列目のシートをわずか6kgの力で跳ね上げできる機構を備えた。女性が片手で操作できるという。シートを跳ね上げるヒンジ部にアシストスプリングを組み込んだことで可能とした。


図1◎新型「セレナ」フロントビュー。

 「例えば、雨の日に、母親が塾帰りの子供を迎えにいくことは良くある。これまでのミニバンでは、子供が乗ってきた自転車を後部ドアから室内に乗せようとしても、母親にとってはシートが重くて跳ね上げできなかったという声が多かった」(担当者)。シートを跳ね上げるためには、シートの重さ分を持ち上げる必要があったためだ。

 今回使用したスプリングは特別なものではないが、ヒンジにスプリングを組み込むことが難しかったという。内蔵したスプリングには大きな力が働くことから「製造・組み立て時にスプリングが飛ばないようにするなど安全に配慮した」(担当者)という。


図2◎3列目シート。シートバックを倒した状態。左側のヒンジにスプリングが埋め込まれているため、片手でもシートを左側に跳ね上げる。


図3◎3列目シートを跳ね上げた状態。