図1◎「ランサー エボリューションX」を発表した益子社長
図1◎「ランサー エボリューションX」を発表した益子社長
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 三菱自動車は2007年10月1日、4輪駆動システムを採用した高性能セダン「ランサー エボリューションX」を発売した。「アウトランダー」「デリカD:5」「ギャラン フォルティス」と同様の新しいCセグメント車向けプラットフォームを採用し、新開発のエンジン、デュアルクラッチ式のAMT(Automated Manual Transmission)を搭載する。価格は299万7750~375万600円で、2007年度の販売目標台数は4000台。AMT搭載車は11月下旬発売予定。

 ランサー エボリューションXは、アウトランダーなどと同様に、フロントサスペンションがストラット式、リアサスペンションがマルチリンク式となっている。このプラットフォームではエンジンを後方排気となるように搭載する。このため、エンジンの搭載位置を下げられ、排気マニホールドの形状もストレート化しやすくなった。

 エンジンは従来の鋳鉄ブロックを持つ「4G63」型からアルミブロック採用の直列4気筒・排気量2.0Lターボエンジン「4B11」型に刷新された。吸排気ともに可変バルブタイミング機構を備え、最高出力は従来と同等の206kW(280PS)ながら、最大トルクは422N・mと22N・m(GSRでの比較値)向上させた。トルク向上の主な理由は、吸排気系の見直しと、ターボチャージャの仕様変更による。エンジン質量はアルミ化によって12kg軽くなった。

 デュアルクラッチ式のAMTは、「GSR」と「RS」、二つのグレードのうちGSRに設定し、RSは5速手動変速機のみとなる。また、車両運動統合制御システム「S-AWC」もGSRのみの設定で、RSは前後の駆動力を可変する「ACD」のみを備える。

 S-AWCでは従来からのACD、左右の駆動力配分を行う「AYC」、ABSに加えて、横滑り防止装置の「ASC」を統合した。これまではプラットフォームが車載ネットワークのCANに対応していなかったため、ACDとAYCの電子制御ユニットとABSのユニット間を独自のシリアル通信でつないでいたが、新プラットフォームはCANに対応することで、横滑り防止装置との連携が可能になった。

 従来の前後および左右駆動力、ABSの制御に加えて、各輪の制動力も含んだ制御を行うことで、より安定した走行ができるという。

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図2◎フロントビュー
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図3◎リアビュー
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図4◎プラットフォーム
図4◎プラットフォーム
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図5◎デュアルクラッチ式のAMT搭載車の内装
図5◎デュアルクラッチ式のAMT搭載車の内装
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