図1 新型インプレッサと森郁夫社長
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図2 新型インプレッサのフロントビュー
図2 新型インプレッサのフロントビュー
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図3 新型インプレッサのリアビュー
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図4 新型インプレッサのインストルメントパネル
図4 新型インプレッサのインストルメントパネル
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 富士重工業は「スバル インプレッサ」シリーズを全面改良し、2007年6月5日に発売すると発表した。米国向けのモデルには4ドアセダンも存在するが、日本向けモデルは5ドアハッチバックに絞った。リアサスペンションを新設計したことなどが特徴。また、従来型で人気のあったスポーティグレードの「WRX」も、米国向けには残すものの、今回の発表では、国内向けには発売されなかった。

 同社は、ともすれば技術偏重だったこれまでのクルマづくりを改め、顧客志向を徹底した商品開発へと方向転換を図っており、新型インプレッサは新開発体制における第1弾商品となる。

 搭載エンジンは1.5L、2.0L、2.0Lターボの3種類。1.5Lエンジンには従来、SOHCとDOHCの2種類があったが、新型車ではDOHCに統一された。2.0Lと2.0Lターボは「レガシィ」に搭載されているエンジンを改良したもので、レガシィと同じく、排ガス管を「等長等爆」レイアウトとすることで排気効率を高めた。またどのエンジンも、各部の摩擦損失を減らすことで、1.5L、2.0Lの場合で約10%、2.0Lターボでは14% 、従来モデルより10・15モード燃費を向上させた。

 車体寸法は、全長を4415mmと従来型より50mm短くする一方で、全幅を1740mmと従来より45mm、全高を1475mmと従来より10mm、ホイールベースを2620mmと従来より95mm、それぞれ大きくした。この結果、室内寸法は、室内長が1985mm、室内幅画1475mmとそれぞれ140mm、95mm拡大した。

 プラットフォームは、エンジンルームとフロントサスペンションについてはレガシィから流用したが、ほかは車室フロア、リアサスペンションを含めて新設計した。またエンジン搭載位置を前端部で22mm、デフセンター部で10mm下げることで重心を下げ、走行安定性を向上させた。

 リアサスペンションは、4本のリンクで構成された新開発のダブルウィッシュボーン式。形式そのものはレガシィのリアサスペンションに似ているが、より良好な乗り心地を実現できる構造を採用したのが特徴。また、初代以来採用してきたサッシュレスドアをやめ、サッシュ付きドアを採用することでドア開口面積を大きくするとともに、リヤドア開度も広げて乗降性を向上した。

 従来型車で採用していたアルミニウム合金製のフロントフードは、新型車では採用していないが、車体構造の合理化を図るとともに骨格部材に590Mpa級を中心とした高張力鋼鈑を採用することで、車両質量としては従来比20kgの軽量化を実現した。

 販売目標はシリーズ全体で 月間2500台。世界全体では年間12万台の販売を見込み、45%
を米国、25%を日本、20%を欧州、その他の地域で残りの10%を販売する計画。国内でのメーカー希望小売価格(消費税含む)は145万9500~259万3500円。