三菱自動車は2007年1月31日、8人乗りミニバン「デリカD:5」(ディーファイブ)を発売した。先代「デリカスペースギア」の後継車で、5代目となることからD5とした。
先代同様にワンボックスタイプのミニバンながら、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)として必要なオフロードでの走行性能を備えたのが特徴。
走行性能を高めるために、4輪駆動車としたほか、ASC(横滑り防止装置)を標準装備した。ボディには、ねじれ剛性や曲げ剛性を高めるために環状骨格構造「リブボーンフレーム」を採用した。
軽量化では、フロントフェンダーに樹脂を採用した。従来の鋼材と比べて約4kg軽くできた。柔軟性もあるため、障害物との接触時に傷が付きにくいというメリットもある。
エンジンや変速機、電子制御式4輪駆動システム、サスペンション形式などは、SUV「アウトランダー」と同じものを採用した。
パワートレーンは、直列4気筒で排気量2.4Lの「4B12」エンジンにCVTを組み合わせる。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。ただし、アウトランダーから、リアサスペンションのダンパとばねの配置は変えた。アウトランダーはダンパとばねが同軸上に配置していたが、デリカでは両者を分離し、ばねをフロア下の内側に置くことでストラットタワーの張り出しを小さくし、荷室スペースを拡大している。車重増加に対しては、ダンパの容量を拡大した。
ボディサイズは、全長4730×全幅1795×全高1870mmで、ホイールベースは2850mm。先代と比べて、全高は100mm低く、地上高は20mm高くしながら、室内高は100mm増やした。運動性能を向上させつつも、室内スペースは増えている。
価格は261万4500~341万2500円。月間販売目標は2300台。現状では国内専用車で、海外販売の予定はないという。なお、2007年春に、FF(前部エンジン・前輪駆動)車を追加する予定だ。