日産自動車は「ブルーバードシルフィ」を全面改良して、2005年12月21日に発売した。「マーチ」などと同じBプラットフォームをベースに、従来型よりも全長を115mm拡大して4610mm、ホイールベースを165mm拡大して2700mmとした(関連記事:読者限定)。後席のニールーム(ひざ周りの空間)は前後680mmで従来型よりも141mm拡大しており、同社によると後席の居住空間は「国産上級車を上回る」という。

図1◎新型「ブルーバード シルフィ」。グリルとヘッドランプにS字カーブを適用した。

 主なターゲットを購入決定権を持つ40代女性と位置づけ、美しいデザインと機能性の両立を目指した。「美しい」「心地よい」「優しい」をキーワードとし、インテリアやエクステリアに同社が「S-motion」と呼ぶS字曲線を多く取り入れた。例えばインテリアでは左右非対称のインストルメントパネル、二枚貝を模したデザインのフロントシート、ソファをイメージしたリアシートを曲線基調のデザインとした。前席の中央には容量9.7Lのコンソールボックス「スーパーマルチコンソール」を設置。アームレスト部を180度回転させてリアトレイとして使えるほか、仕切り板には携帯電話機などを収納するスペースを持つ。

 12月20日に発表した花粉除去など3機能を持つフィルターを搭載したほか(関連記事)、排出ガスを検知して外気導入と内気循環を自動的に切り替える「インテリジェントエアコンシステム」を一部車種に標準設定した(関連記事)。NO2やCOを検知することで、トラックやバスなどの排気ガスが車内へ侵入することを防ぐ。

 エンジンは排気量2.0Lの「MR20DE」型、または1.5Lの「HR15DE」型を採用。2.0LモデルにはCVTと組み合わせるほか、4輪駆動車には後輪をモータで駆動する「e・4WD」機構を採用した。ボディサイズ全長4610×全幅1695×全高1510mm(1.5Lモデルは1500mm)。価格は1.5Lモデルが178万5000円から、2.0Lモデルが192万1500円からで、月販目標台数は3000台。

図2◎「ティアナ」「フーガ」と共通の6ライトウインドーを採用。テールランプで幅広感を強調する。

図3◎前席は二枚貝の形状をイメージした「シェル・シェイプ」シートとしたほか、インパネに左右非対称のS字型を適用した。