トヨタ自動車は2005年11月14日、新型「RAV4」に採用した新MCプラットフォームを公開したが、コンセプトは三菱自動車の「アウトランダー」に非常に似ている。発表会場の説明員も「近いから相談したわけではないが、期せずして似てしまった」と述べていた。新MCプラットフォームは「プレミオ/アリオン」クラス用の新型プラットフォームだ。

図1◎マクファーソンストラット式のフロントサスペンション。

 三菱自動車が先に発表したアウトランダーはワイドトレッド化により安定感を高めたほか、サスペンション構造を見直し、剛性の向上を図った。リアサスペンションは井桁形状のサブフレームを設けてダブルウイッシュボーンのアームをサブフレームに取り付けることで、ボディ側の取り付け点を強化しなくても剛性の高い構造としている。4輪駆動システムは、フロントからリアに伸びるプロペラシャフトと排気管をフロントサスペンションのサスペンションメンバーの上側を通している。

 ここまでのところはRAV4もまったく同じだ。フロントサスペンションは、トレッドが1560mmと55mm拡大した。アウトランダーは1540mmと 45mm拡大しており、ほぼ近い値だ。ワイドトレッド化は室内スペースの拡大、側面衝突時の安全性強化にも寄与するが、ロールを抑えられるため操縦安定性も高められる。サスペンション形式はマクファーソンストラット方式でこの点も同じ。違うのは、アウトランダーが回頭性の強化を狙って、フロントのキャスター角を3度30分から2度30分に立てたのに対し、RAV4では直進安定性の向上を狙って5度50分とハイキャスター化を図っている点だ。

図2◎ダブルウィッシュボーン式のリアサスペンション。