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 サイエンス・インカレの特徴は、審査員の多くが他分野の研究者であると共に、大部分の聴衆が一般の方々であることだと思う。大学で研究を進めていけば学会などでの発表機会は増えるが、分野外の方に自らの研究成果を発表できる場はほとんどなかった。このような状況の中で、文部科学省の主導のもと、サイエンス・インカレという場を用意していただけたのは、研究活動をしている一学生として嬉しい限りだった。

 発表にあたっては、初開催のため前例が無く、どのようなテーマで、いかにしてプレゼンテーションをするべきか悩んだ。余談だが、私の大学は3学期制のため、応募書類の提出日がテスト期間の直後で、発表日がテストの直前ということになった。学部生が研究活動をする際に問題となる、研究と講義の板挟みを存分に味わえた。私は、発表用のスライドの作成や口頭でのプレゼンテーションがとても好きで、板挟みの状況でも精力的に準備できたが、すべての準備が整ったのは前日の深夜だった。実験のスケジュールを詰め込み過ぎたことが主な原因だったが、振り返ってみると、このときのデータのおかげで入賞したのかもしれない。少ない時間を最大限に活用した研究計画だったのだと思うことにしている。

 当日は多くの反響をいただけた。発表者としては非常にありがたかった。さまざまな分野の発表が集っているため、プレゼンテーション会場の内外で普段は接していない助言や質問に触れられて、サイエンス・インカレの特徴が活きていることを実感できた。今年度の大会でも、審査員の先生方や一般の来場者の方々、そして全国の大学で研究している学生たちと会えることを楽しみにしている。