2010年のノーベル化学賞の受賞者である北海道大学名誉教授の鈴木章氏と、2011年6月にスーパーコンピューターランキングで世界一の性能を達成した「京」の心臓部であるCPUを開発した富士通の丸山拓巳氏に、明日のエンジニアへを目指す理系学生に向けたメッセージをいただきました。
連載
明日のエンジニアへの手紙2012
目次
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新しい時代の発端を創るのは半導体だ
牛田一雄氏(SEMI 役員)
半導体、フラットパネル・ディスプレイ、MEMS、太陽電池などの機器を支える数々の電子デバイス。その製造装置および材料を扱う企業が集まる国際的な工業会SEMIの役員を務める牛田一雄氏(ニコン取締役兼専務執行役員 精機カンパニープレジデント)に、半導体産業のこれからの可能性や魅力について聞いた。
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次世代スパコン「京」のCPUができるまで
富士通 エンタプライズサーバ事業本部 プロセッサ開発統括部 統括部長代理 丸山 拓巳 氏
「2位では、だめなんでしょうか」─ 民主党 参議院議員の蓮舫氏から事業仕分けにおいてこんな迫られ方をしたことで一躍有名になったのが、われわれが開発にかかわったスーパーコンピュータ「京(けい)」です。理化学研究所と共同開発したもので、2011年6月に世界一の処理能力の地位を得ることができました。これ…
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液晶・医薬を生んだ鈴木カップリング
北海道大学 名誉教授 鈴木章氏(2010年 ノーベル化学賞 受賞)
わたしが2010年のノーベル化学賞を受賞した理由となった「鈴木クロスカップリング」は、農薬や高血圧症の治療薬、液晶材料といった、さまざまな分野の製品を効率よく合成でき、その実用化につながった反応の手法です。