この高級冷蔵庫は,四季に応じて自動的に温度を調節する「季節自動モード」やユーザーの生活パターンを記憶して冷蔵庫内を最適な状態に保つ「生活自動モード」など,センサを活用する「スマート・エコ・システム」を搭載している。こうした機能により,容量737Lの高級冷蔵庫の月間消費電力は31.8kWと,世界最小クラスとした。

 ヒットしたもう一つの要因が,宣伝に「国民的息子」と呼ばれ,主婦に人気の俳優 李昇基(イ・スンギ)氏を起用したことである。冷蔵庫の宣伝に登場するのは女優が多かったが,あえて人気の男性を起用したことで「イ・スンギが宣伝している冷蔵庫」と指名買いされるまでになった。検索サイトでも「Massimo Zucchi冷蔵庫」より「イ・スンギ冷蔵庫」と検索した方が,ヒット件数が多いようだ。

最短最多販売記録を更新

図2 泡で洗う洗濯機
「バブル・エコ・ドラム式洗濯機」は,19分でワイシャツ1枚を乾燥できる。乾燥時の電気使用量を従来比60%以上削減した。(写真:Samsung Electronics社)
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 洗濯機では,発売から2カ月間で3万台を売り,Samsung Electronics社の最短最多販売記録を更新するヒット商品が登場した。泡を使って汚れを落とす「バブル・エコ・ドラム式洗濯機」である(図2)。既存のバブル洗濯機に比べて洗濯時間と電気代を半減したことから,大ヒットとなった。価格は他社のドラム式洗濯機よりも2万~4万円ほど高めの設定で,13kg対応品が9万~13万円程度である。しかし韓国で「高くても環境に優しい製品を買うのがおしゃれ」という流行を巻き起こした。

 今回の洗濯機は,泡を発生させる「バブル・エンジン」を改良して,泡発生に要する時間を半分にした。さらに,泡を空気と一緒にドラムへ押し込むことで洗濯開始から約2分で泡を衣類へ浸透させ,汚れを早く落とすようにした。この結果,通常は1時間50分かかる標準洗濯時間を55分まで短縮したのである。水使用量は150L/回から98L/回へ,電気使用量は540Wh/回から270Wh/回へと減らした。

 このほかに,従来モデルから好評だった,80℃の空気でにおいやアレルギー物質を除去する「エアー・ウオッシュ機能」に加えて,今回はすすぎの水量を調整して洗剤の残りを最小限にする「スキンケア機能」や,防水加工されたスポーツウエアも洗える「バブル・スポーツ・コース」を追加した。