学習用タブレット端末「Buddy」は,5型液晶ディスプレイを備え,1080pのHD動画に対応する。OSはAndroid 2.1である。(写真:i-station社)
(写真:Motorola社)
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 韓国の2010年は,スマートフォンとモバイル・インターネットなしでは語れない。特に,2010年9月末で出荷台数が500万台を突破したスマートフォンは,人々や社会を変えたとまでいわれている。

 韓国のインターネット環境は,一気にスマートフォンと無線LANに切り替わり,地方選挙では「地元をホットスポットにする」という公約まで登場した。これは,老若男女関係なくスマートフォン・ユーザーが増えているという証拠ではないだろうか。

 2010年末には,韓国でのスマートフォンの出荷台数は600万台を突破し,2011年には1500万~1600万台に達しそうな勢いである。

タブレット端末で受験勉強

 スマートフォンの次は,タブレット端末がヒットするのが世界の流れである。ただし,韓国ではまだ「iPad」が発売されていない。2010年11月に発売になった韓国Samsung Electronics Co., Ltd.の「GALAXY Tab」は,定額基本料金や端末代金を含めると毎月1万円程度必要になるため,スマートフォンほど気軽に買える状況ではない。

 そこで,韓国独自のヒット商品として売れているのが,さらに小さくて安い「PMP(portable multimedia player)」と呼ばれる学習用タブレット端末である。PMPは,電子辞書や音楽・動画再生,無線LANなどの機能を備えている。

 韓国政府は教育機会均等を目的として,公営放送である教育放送のWebサイトで大学入試講座の動画を無料で提供している。ここから大学入試の問題の一部が出題されるため,高校生はこの動画をPMPなどで見ているのだ。高校生の多くは夜10時まで学校で自習をし,それから塾へ行く。PMPをいつも持ち歩き,空いた時間にPMPで勉強するのである。