豆乳メーカーを手掛ける企業数は非常に多い。価格は約300~800元(約4000~1万円)。予熱から始まり,撹拌,加熱,保温までを自動で行う。高機能品では,豆を細かくひく技術などで大豆の栄養を引き出しやすくしている。市場シェアがトップの九陽社(Joyoung)は“とろ火煮込み”機能を搭載している。

日本を上回る高齢比率

 忘れてならない人気製品が家庭用ポータブル医療機器である。同機器がヒットしたのは,中国で高齢化が急速に進んでいるからだ。

 中国社会科学院 財政貿易経済研究所が発表した「中国財政政策報告2010/2011」によると,2011年以降に中国の高齢化が加速する。そして2030年には,中国の全人口に占める65歳以上の比率は日本を上回り,全世界で最も高齢化が進んだ国になるという。

 現在中国では,疾病予防は治療よりも効果的であると認識されている。そのため,家庭用ポータブル医療機器の販売台数は成長を続けている。代表的な製品は,電子血圧計や電子血糖値計,電子体温計などである。価格も徐々に下がってきており,例えば電子血圧計の価格は約200元(約2500円)と,一般の家庭でも購入可能になってきた。

図3 高齢化で人気が高まる
高齢化の進展で,家庭用ポータブル医療機器が人気製品となっている。早くから参入した海外企業が市場を牽引する。(写真:オムロン)
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 家庭用ポータブル医療機器では,早くから参入した海外企業が主導的な地位を確保している。電子体温計と電子血圧計はオムロンとパナソニックが,電子血糖値計は米Johnson & Johnson社とスイスRoche社が市場を牽引している(図3)。国内ブランドも積極的に追随しており,「魚躍医療」「九安」「三諾」といった中国企業のシェアも拡大しつつある。

 家庭用ポータブル医療機器に関心を示すのは,高齢者だけではない。例えば歩数計が若者に人気となっている。歩数計は,カロリー消費量の計算ができる製品が特に人気である。