ネットワークHDプレーヤーは,映像や音楽,写真のそれぞれで各種フォーマットに対応している。(写真:傑科(Shenzhen Giec Electronics社))
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 2010年に中国でヒットしたエレクトロニクス製品は,液晶テレビやスマートフォン,ノート・パソコンなどがある。このほか,電子書籍端末や豆乳製造機(豆乳メーカー),ネットワークHDプレーヤー,家庭用ポータブル医療機器なども人気だった。

 中国の人々には,新技術が搭載されたエレクトロニクス製品を使いたいという願望がますます強くなっている。このため,日常生活に関連するエレクトロニクス製品に,巨大なビジネスチャンスが潜んでいるだろう。

新たな製品ジャンルが出現

 2010年は,液晶テレビの価格破壊によって,CRTテレビから液晶テレビへの買い替えが急速に進んだ。ただし,約7600万人ともいわれる液晶テレビのユーザーのうち,2%足らずしかHD放送を視聴する環境にないという。

 Blu-ray DiscプレーヤーやBlu-ray Discコンテンツの価格がやや高いため,ユーザーはインターネットからHDコンテンツを探し始めた。こうしたユーザー動向を受けて,ネットワーク経由でHDコンテンツを再生する新たな製品「ネットワークHDプレーヤー」が誕生した(右上の写真)。

 中国には,HDコンテンツを提供する「捜狐HD」「迅雷HD」「楽視網」といったWebサイトがある。それぞれのコンテンツは著作権を確保しており,常に新たなコンテンツが加わっている。これがネットワークHDプレーヤー普及の土壌となった。

 ネットワークHDプレーヤーの価格は,600~2000元(約7500~2万5000円)までさまざまである注1)。一般にHDMI 1.3のインタフェースを備えており,1080pの出力をサポートする。機種によってはHDD録画機能やUSB 2.0インタフェース,メモリ・カードの読み取り機能,有線LANインタフェースなども備える。

注1) 2010年12月10日時点の為替レート1元=12.58円で換算。以下同。

1000元以下の端末が続々

 電子書籍端末は,米Amazon.com, Inc.が「Kindle」を発売した後,手書き入力技術で有名な中国Hanvon Technology Co., Ltd.(漢王科技)がすぐさま自社設計の製品を発売して人気となった。