Gartner社はさらに,北米市場のタブレット端末の出荷台数が2014年に8944万台まで伸びると予測している。この巨大市場に向けて,多くのメーカーが動きだした。既に米Cisco Systems, Inc.や米Dell Inc.,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.などが,米国でタブレット端末を出荷している。米Motorola, Inc.も,2011年中にタブレット端末を発売する予定だ。

 タブレット端末市場への進出を狙って,ソフトウエア開発環境を充実させている企業も多い。カナダResearch In Motion Ltd.(RIM社)は2010年8月にカナダQNX Software Systems社を,米Hewlett-Packard Co.(HP社)は2010年4月に米Palm, Inc.を,それぞれ買収した。

 このうちRIM社は,2011年初期に米国で販売する予定のタブレット端末「BlackBerry Playbook」に,QNX Software Systems社の技術に基づく「BlackBerry Tablet OS」を搭載する予定という。HP社に関しては,Palm社の「webOS」を採用したタブレット端末を,2011年中に公開するという報道がある。

Android端末が急成長

 米国では,日本に比べてAndroid端末のシェアの伸びが著しい。米The Nielsen Co.によると,米国のスマートフォン市場におけるAndroid端末のシェアは,2010年第1四半期に9%にすぎなかった。これが,2010年10月の段階で,一気に23%まで拡大した(図2)。iPhoneのシェアは28%で安定しているが,今後の動向が気になるところだ。

図2 急速にシェアを高めるAndroid搭載の携帯電話機
米国市場でのAndroid搭載スマートフォンのシェアは,2010年第1四半期に9%だったが,2010年10月に23%まで増加した。(図:Nielsen社のデータ)
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 Android端末が米国で普及を早めている背景の一つに,通信事業者である米Verizon Wireless社の支援がある。米国では,iPhoneに対応する携帯電話事業者は米AT&T Inc.に限られている。しかし,米国の雑誌「Consumer Reports」の調査によると,AT&T社の評価は決して高いとは言えない。