Motorola社のスマートフォン「Droid X」。
(写真:Motorola社)
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 米国では,2007年発売の米Apple Inc.の「iPhone」から始まったスマートフォン・ブームが,いまだに続いている状態だ。2010年には「iPhone 4」や「iPad」の追加によって,携帯端末市場は大騒ぎとなった。

 Apple社の携帯端末がヒットする一方で,米Google Inc.が手掛けるAndroid端末の人気も急速に高まっている。これらスマートフォン向けのゲーム・ソフトウエアも大ヒットし,据置型ゲーム機への移植も予定されている。もはや米国における携帯端末は,有力なメディア媒体としての地位を確立したといっても過言ではない。

iPadの登場で一変

 iPadの登場まで,米国ではネットブックが話題だった。しかし,2010年1月に開催されたiPadの発表会で,Apple社 CEOのSteve Jobs氏は「ネットブックは単なる安価なノート・パソコンだ。他の製品よりも優れている機能はない」と断言した。

 確かに,iPadの登場でネットブックの話題は沈静化し,代わってiPadに代表されるタブレット端末の話題で持ち切りとなった。米Gartner, Inc.によると,北米市場における「メディア・タブレット端末」の2010年の出荷台数は1189万台になる見込みという(図1注1)。このうちの大部分は,iPadの出荷台数のようだ。

注1)Gartner社は,iOSやAndroidといった「軽い」OSを搭載し,タッチ・スクリーンを備えたタブレット端末を「メディア・タブレット端末」と定義している。

図1 米国のタブレット端末市場を変えた「iPad」
Apple社によると,2010年第3四半期までに全世界のiPadの出荷台数は746万台だった。Gartner社の予測では,タブレット端末の北米市場の出荷台 数は2014年に8944万台になる。(図:Apple社とGartner社のデータを基に本誌が作成,写真:Apple社)
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