という理由で辞めていきます。こういう新人に企業は懲りています。だから、やりたいことを振りかざす学生は、雑用を嫌がり、組織に馴染まないのではないか、と疑うのです。

やりたいことがさせてもらえない、と辞めたとしても、きっと転職した先でも雑用から始まります。3年以内で転々と仕事を変えても、身につくことは雑用の種類です。転職を繰り返して雑用の種類を増やすことを「キャリアステップ」とは呼びません。キャリアステップは、今の職場で踏ん張った先にあるのだと、教えます。ヘッドハンティングされて転職する「キャリアステップ」もまた、管理職、経営職としての経験があってこそ、です。

もし、目の前に、やりたいことがさせてもらえない、と辞めようとしている新人がいるとしたら、

やりたいことがやりたかったら、管理職を目指しなさい

と、教えてあげたいのです。

上司が合わない、嫌い

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上司が合わない、嫌い、という社会人塾生に聞くと、

・指示がコロコロ変わるからイライラする
・残業減らせって言う割に明日まで、今日中、という
・週末になると月曜日までに案を出せという

だから、こんないい加減な上司じゃあやっていけない、といいます。

これも、新人の勘違いの一つ、「上司は先生」という感覚です。上司に先生としての役割を求めてしまうのです。

今まで教わってきた先生は、普遍的に変わらない「しつけ」と言う教育を提供してくれました。一度ダメといったらダメといい、ひいきをしない先生に信頼を置き、国語も数学も先生は常に正解を教えてくれました。

しかし、上司は違います。市場のニーズにあわせ、流動的に商品やサービスを提供していかなくてはなりません。朝やれ、といったことも明日には、いえ、情報が入った昼にはやるな、と指示が変わります。変わっているのは上司の気持ちではなく、市場に左右されて会社の方針も変わるからです。従って、上司も何が正解なのかは、蓋をあけてみないと分かりません。上司の気持ちは、あなたが上司になった時にしかわかりません。決して上司がふがいないわけではないと信じましょう。