Sさんのような国際貢献をしたがる学生をどうアプローチするべきか、話し合いがもたれました。

・海外○○○○隊は2年間で、正社員じゃないことを伝えてはどうだろう
・新興国に旅行をさせては 
・人のために、という気持ちをボランティア経験で確かめられないか

等の意見が出ましたが、事実を伝えるだけでは本人がかたくなに頑固になる可能性もありますし、何かに挑戦させるには時間がかかります。

「いっそのこと、外で糞できるか聞いてみたら」

え。究極の質問に、みんな目が点です。でも、ボランティアをしたこともないくせに、本当に新興国で生活できかどうか、の覚悟を聞くには、これほど当事者意識を持たせ、これほど現実的な質問はないかもしれません。

後日、Sさんにこの質問をしてみました。しばし、うつむいて、考え込んでしまいました。次の瞬間、ふっと顔を上げ、断言しました。

「できます! 時間によっては」。

果たして、Sさんの社会貢献への覚悟は本物でしょうか、にせものでしょうか。

(コラムで提示している学生の事例は、就職塾向日葵が指導したものであり、処方は、個人の状況などによって異なり、すべての人に当てはまるとは限りません)