「え、だって、大学のことじゃなくてもいいんですか?」

大学はないんじゃなくて、大学は勉強と資格を頑張ったんでしょ。サッカーという組織に所属してプレイをするということは、監督、コーチ、先輩、後輩、保護者、他校、という人と接する距離感は出来ているはず。だから大学の先生にも可愛がられて、ゼミの後輩からも信頼されているんでしょ。君の芯となっている向上心やあきらめない気持ちを培ったのが、10年近く続けてきたサッカーなんじゃないの?

「そ、そうです。僕、あの頃が人生で一番頑張っていた気がするんです」

Yさんが自己PRをサッカーにしてから、わずか2週間後、3社目の企業で内定をいただくことが出来ました。もともと、基礎学力も高く、勉強は真面目にしてきた学生さんだったので、面接ではとても気に入られたようです。これで親御さんもほっと一安心です。

Yさんにも一つ大きな変化が現れました。それは、地元のフットサル愛好会に参加したことです。大学では何もしてこなかったYさんですが、内定をいただいた企業に、フットサルサークルがあることが分かったことで、またボールを蹴りたくなったようです。これなら、ストレスもしっかり発散して、卒業研究に取り組んで、社会人として頑張っていけることでしょう。

(コラムで提示している学生の事例は、就職塾向日葵が指導したものであり、処方は、個人の状況などによって異なり、すべての人に当てはまるとは限りません)